2003年11月28日(金)福祉施設見学
見学の内容 参加者・花の家コース、福音の家コース、ダリア園コース
見学施設:清風園、グループホーム 丘の家清風、清林ハイツ
午前10時30分から清風園会議室にて、先ず、清風園の設置主体である、社会福祉法人賛育会と、いわゆる清風園を構成する、特別養護老人ホーム清風園、高齢者在宅サービスセンター清風園、グループホーム 丘の家清風、清風園診療所、清風園居宅介護支援事務所、訪問介護ステーション清風園、軽費老人ホーム清林ハイツのそれぞれについてのご説明を受ける。
ちなみに、清風園は施設登録としては東京都で2番目、運営上は東京都で最古の歴史を誇るとのことでした。金井に開設されたのは、昭和39年だそうですが、2年半前に清風園は新築されたために、丘のうえに建っているという立地条件から採光にも恵まれ、大変に明るい施設です。
次に、2グループに分かれて、施設内の見学に移りました。私が所属する花の家コースは、グループホーム 丘の家清風から伺いました。同ホームは、清風園の1階にあり、定員9名、全室個室であり、痴呆性高齢者が、家庭的な生活空間に配慮した居住施設で、自立しながら生活していらっしゃる施設です。ただ、皆さん身奇麗にしているせいか、外見からは痴呆性高齢者とはとてもお見受けできませんでした。食事は皆で献立を決め、協働して作るそうです。お風呂も共同使用です。また、入所者9人全員が女性のために、質実でありながらも華やぎを感じさせる生活空間をつくっていたのが印象的でした。
続いて伺った高齢者在宅サービスセンターも、同じ1階にあり、定員25名で、月曜から土曜まで、祝日を除いて運営され、各家庭をまわって送迎もしているそうです。利用者が自宅から通って、趣味活動や風呂を利用するための施設であり、いわゆるデイサービスがここで受けられるのです。入浴施設が立派なものでして、身体が自由に動かせる方がご利用する通常の風呂はもちろんのこと、座ったままでも入浴できる風呂も完備されていました。いずれのお風呂にも、介護の方がつき、原則としては同性の介護者だそうですが、人手が足りない場合は、異性の場合もあるそうです。ただしその際、女性の入浴者に対して男性の介護者という組合せは、ないそうで、なるほどと思った次第です。
お昼になったので昼食は、地下にある職員食堂を利用させていただきました。職員さんと同じメニューを、500円自己負担していただいたのですが、栄養のバランスに配慮した献立でありながら、ボリュームもあり味もしっかりとしたもので、美味しくいただきました。
午後は、2階と3階を占める特別養護老人ホーム清風園を見学しました。こちらは、在宅での生活が困難な要介護1〜5度の方々が入所している施設で、個室22室、4人部屋22室の定員110名。くわえてショートステイのための定員が3名です。
個室も相部屋も負担する金額は同じだそうで、身体の状態に合わせてどちらの部屋を利用するかを決めるとのことでした。部屋の交替は身体の具合に変化があれば、機敏に対応するそうです。
食事はラウンジを兼ねた食堂で摂るそうで、それは一人暮らしをして孤独にいただく食事よりは、はるかに美味しくいただけるのではないかと思いました。
ただ、たまには個室で食べたいこともあるでしょうから、その対応が今後の検討課題でしょうか。
また、清風園は介護保険導入後、個人で入所先を選べるようになったのにともない、入所希望者が激増し、現在待機待ちをしている方が900人もいるそうで、高齢化社会が到来した日本では、今後とも施設の質的充実とともに量的充実にも、目を配らなければならないと強く思った次第です。
次に、清風園の前にある、清林ハイツを見学しました。
こちらは、軽費老人ホームとなっていますから、ごく安価な経費で住むことができる自炊可能な方の生活の場です。
一人部屋30室、二人用が10室の定員50名の施設です。食事はそれぞれ自室で自分が作るのを原則としているために、束縛されずに自由を楽しみたい方には好評な施設のようです。
ただ、折からの財政難から、東京都からの援助が減額され、軽費とはいえ、だいぶ経費負担が増えているとのことですし、また、この軽費老人ホームという施設自体がすでにその使命を終えているとの判断を厚生労働省が下したために、すでに建て替え等への補助金がつかないために、当ホームでの募集はしていないとのことでした。
見学会のあとにハイツ入所者との懇談会がもたれましたが、皆様とてもはつらつとして、日々の生活の中に、生きる喜びを見出す前向きの姿勢を強く感じ、このような形態での老人ホームを存続させなくてはならないと、強く感じたのでした。
ちなみに、この清林とは、清風園の「清」と、作家平林たい子さんが当ホームのために義捐金をご寄付したのにともない、「林」をその名の一部に残したとのことでした。
2004年9月17日(金)体験学習
【体験学習の内容】 ミニ喫茶(修了生との合同開催)
今回は、修了生の助けをお借りして、受講生が「福音の家」に入居している方々のために、ラウンジでミニ喫茶を開店、営業しました。
文字通りの喫茶店の営業であって、それが証拠に、ちゃんと一品あたり200円のお代をいただいたのでした。
「福音の家」から支給される予算は2万円で、それをミニ喫茶の利用予想者にあたる80人分御用意したのです。
そのために、前々回の講座から終了間際の時間を利用して、打ち合わせを重ねました。
先ず、一品あたりのお値段は200円との規定事項に合わせるため、それに相応しいメニューを決めました。
喫茶店なのですから、飲み物を飲んでいただくのですが、それに併せてお菓子をお出しする。その際、和菓子と洋菓子を一緒に出そうということが、決まりました。
和菓子は甘いもの一種だけでは、200円の値段に較べて安すぎてしまうので、おかきも御用意し、甘いものでは、黄身しぐれ、栗饅頭、蓬饅頭、茶饅頭の4種類からお好きなものを選べるようにしました。
洋菓子は、シュークリームのみです。
お菓子は、せめてもの心尽くしに、懐紙に載せました。
飲み物は、煎茶、抹茶、コーヒー、紅茶の4種類を御用意しました。抹茶はちゃんと点てましたし、コーヒーもインスタントではありません。もちろん、砂糖とクリームもご用意しました。
ほかに、雰囲気を盛り上げるために、秋を感じさせるススキなどの植物と音楽のCDも用意しました。
いよいよ開店です。
メンバーを、入り口の和菓子の選択コーナー、厨房での飲み物つくり、お客様のエスコートの3つの分担に振り分けました。
なにかとご不自由なお客様がいらっしゃるので、エスコート係りが重要な役割を担います。たとえば、ミルクのふたを取ることがかなわないお客様もいらっしゃいます。
あるいは、いつもとは違う目新しい話し相手としての役割も重要です。また、お菓子が喉につまらないように、スプーンで餡をすくったり、気を遣う重要な役どころです。
【学習の感想・意見】
お飲み物は、お好きなものをお好きなだけ召し上がっていただいた方が良かった。
また、コーヒーのサービスでは、お砂糖とクリームをカップに入れることも、こちらで責任をもってやるべきでした。そして何より、お客様の話し相手となることが、何よりの御持て成しだと思いました。