「2006年 第3回定例会」一般質問 三遊亭らん丈
町田市民の意思を代表する町田市議会の一員として、声なき声に耳を澄ませつつ、暫しのお時間を頂戴し、通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。
大項目は、以下の3つに分かれます。
第1項目は、『町田市もLOHASに相応しい「環境首都」を目指してはどうか』。
ここで、LOHASについて、お断り申し上げます。LOHAS とは、いうまでもなく英語です。Lifestyles of Health and Sustainabilityの略称であります。適訳がないので、私が訳しますと、「健康で持続可能性に配慮した生き方」とでも訳しましょうか。
第2項目は、『予算をつけない事業案を募集してはどうか』。
第3項目は、『町田市が文学賞を創設してはどうか』。
以上、3項目です。
では、第1項目から質問をさせていただきます。
21世紀に入り、人類に課せられた最も重要な課題のひとつに、sustainabilityつまり、持続可能な社会の達成が挙げられます。
それは、略称環境保全活動・環境教育推進法が、平成15年に施行されたことによっても明らかです。
この法律は、名称からも分かる通り、健全で恵み豊かな環境を維持し、現在及び将来の国民の、健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする法律であります。
また、その延長線上にある考えに、先ほどふれたLOHASがあります。これは、様々な局面で使われることの多い言葉ですが、特に環境を語るときには今や欠かせないターム=用語となっています。
2005年に、イースクエアという企業が調査したところ、日本の成人の29%がLOHAS層だという結果が出ています。
町田市においては、2004年4月より、「環境配慮行動計画」に基づいて職員は業務を遂行しています。
さて、京都市にあるNPO「環境市民」(会員750名)では、全国の環境NPO10団体と協力して、2001年から「環境首都コンテスト」を始めました。
以後年々歳々参加自治体が増加しまして、昨年は、75の自治体が参加しております。
町田市の近隣自治体では、大和市。東京都においては、板橋区と練馬区。特に、板橋区では、2001年から昨年まで5年連続して参加しています。
これは、どうやって調査を進めるのかといえば、各自治体に質問票を渡し、それに記入してもらう、という方式をとっております。
内容としては、ゴミ減量、自然環境保全、地球温暖化防止策など15項目に分かれており、その中に、環境基本計画の策定状況や、住民参画の度合い、首長の公用車の有無や燃費など100を越える質問が用意されています。
たとえば、第1回から連続5回参加しており、昨年は6位だった兵庫県の尼崎市では、コンテストの募集が始まる9月から、環境政策課で2ヶ月かけて質問票の回答をつくり、その際、庁内54課が関係しており、実際のところ、このコンテスト関連の仕事の負担はかなり大きいのだそうですが、同課の前田誠一郎参事は、「質問票が環境政策の見直しに使える。第三者の目で評価してもらえれば、われわれの政策の弱点が見えてくる」と、このように参加の意義を語っています。
また、「環境市民」代表の杦本(すぎもと)育生さんは、「自然が豊かなまちが環境首都に選ばれるわけではない。行政の努力を測るのです。そういう自治体こそは、『エコひいき』していきたい」と話しています。
このように、環境に考慮したまちづくりを進めるうえで、大変に資するものが大きいと認識できる、「環境首都コンテスト」に町田市が参加したという形跡はないように見受けられますが、それは事実なのか。
事実であるとすれば、なぜ、参加しなかったのか。参加しない、何か特段の理由があったのか。あったのならば、それをご教示賜りたい。
そして、将来この「環境首都コンテスト」に、町田市は参加する意思はあるのか。
それをお聞かせいただきたい。
逆に、現状においては、参加する意思がないとするならば、それは何に由来するのか。
それをお聞かせ願いたい。
第2項目は、『予算をつけない事業案を募集してはどうか』。
この事業は、つい先月2006年8月、同じ多摩地域に位置する、武蔵村山市で行われた「0(ゼロ)予算チャレンジ事業」として結実したものですが、これはその名の通り、新たな人件費や需要費をかけずに既存の予算の範囲内で職員が実施する事業のことです。
実際には、8月8日に、野山北公園に彼岸花の球根植えと紫陽花数株を植樹したのです。
その際の、彼岸花の球根1,000球は、市内群生地からの移植、紫陽花は、市長も自ら自宅から7株、そのほか職員が自宅から持ち寄ったものを移植したものだそうです。
事業の募集は各課単位で、8月10日まで行われ、合計12件寄せられたそうです。
そのうち、上記の案件のほかに、4件の実施も決まったのです。
武蔵村山市は、「従来の固定観念や前例主義にとらわれないで事業が創出できる。今年度だけでなく、これからも続けていきたい」としている。
これを知ったときに、わたくし正直なところ、これは「コロンブスの卵」だと思いました。
つまり、ある施策を実現させたいときに、「予算がない」とは実にしばしば耳にする言葉ですが、この場合は、初めから予算がないことを前提にしているのですから、もはや、それは自明のこととして、尚且つそれでも自治体に資する事業をどうやったら具現化できるのか、ということで各職員が知恵を絞るというのです。
いかがでしょうか。
この予算を一切使わない事業を、町田市においても実現化させようとは、お考えになりませんか。
その可否を、お聞かせください。
第3項目は、『町田市が文学賞を創設してはどうか』です。
当町田市議会には、自慢できることが実はいくつかございます。と申しますのが、私が知る限りにおいて、芥川賞受賞作家を初めて議会に迎え入れたのが、他ならぬ、町田市議会の前身、町田町議会なのであります。
昭和15年に『平賀源内』によって、芥川賞を受賞いたしました桜田常久先輩がその人であり、受賞後、桜田先生は、町田町議会議員となったのであります。
また、今期直木賞を受賞いたしましたのが、三浦しをんさん。この方は20年来の町田市在住者です。
直木賞受賞作品は、『まほろ駅前多田便利軒』。いうまでもなく、この「まほろ駅前」とは、「町田駅前」ということですね。
過去には、遠藤周作先生、赤川次郎先生、現在も森村誠一先生等著名作家の居住地としても、町田市は名高いのですが、さて、ここで、ふたつの詩をご披露したいと思います。
「素朴な琴」
この明るさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐へかね
琴はしづかに鳴りいだすだろう
「故郷」
心のくらい日に
ふるさとは祭のようにあかるんでおもわれる
このように、八木重吉は素晴らしい詩を生み出した、町田市にとっては掛け替えのない詩人であります。
いわば町田市民にとっては、八木重吉は大いなる財産といっても決して過言ではないのです。
来月町田市民文学館がオープンするのに合わせて、その八木重吉の名前を冠した文学賞を創設し、広く全国から応募作を募れば、町田市の名前を宣揚するのに資すること大であると、私は信じるものです。
さすがに、来月の市民文学館の開設に文学賞の創設は間に合うわけはないのですが、この際、文学賞の創設を企図してはいかがでしょうか。
以上、3項目にわたっての質問とさせていただき、壇上よりの質問は以上とさせていただきます。