町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

平成28年第4回町田市議会 定例会「一般質問」一般質問

2016.12.05(月)

2016年第4回定例会12月5日 町田市議会本会議における一般質問において壇上よりおこなった部分 三遊亭らん丈

 おはようございます。
 自由民主党会派の一員として、一般質問をさせていただきます。
 今回も、選ばれる都市町田を目指して、一般質問をいたします。

 それぞれの都市には、様々な都市像があろうかと思いますが、たとえば、建築家のルイス・カーンは、次のように定義しています。
「都市とは、小さな子どもが歩いていくと、将来一生をかけてやろうとするものを教えてくれる何かに出会う、そんなところだ」というのです。詩的でありながら、本質をつく名言だと思います。

 2010 年前後から、国ではなく、地方自治体のレベルで住民の幸福度調査や指標化を独自に実施するところが増えています。東京都荒川区、新潟県、熊本県などの取り組みが、各研究機関やマスコミ等で取り上げられておりますが、たとえば、荒川区の「荒川区民総幸福度(GAH=Gross Arakawa Happiness)」は、その基本的理念、運用の仕方、そして調査方法の点で注目されています。

 すでに2014 年10月には第1回目の『荒川区民総幸福度(GAH)に関する区民アンケート調査』を実施しており、2015 年7月には第2回目を実施しました。

 それとは別に、不動産のポータルサイトのHOME’S総研が発表した、「身体で経験する都市;センシュアス・シティ」という考え方がありまして、それは、「人間の知覚の仕方は複雑で、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感を複雑に総動員した総合評価として」都市を評価すると、どうなるかというものです。

 それでみると、町田市は、センシュアス・シティ上位都市50の中には、残念ながら入っておりません。ちなみに、1位は東京都の文京区で、2位は大阪市北区、3位は武蔵野市です。お隣の八王子市は21位に入っています。

 センシュアス・シティを選定する際の指標は、8カテゴリー32項目にわたっております。8カテゴリーをここで、詳細には申し上げませんが、ロマンスがある、食文化が豊か、ちなみにそのトップは、金沢市です。

 それ以外ですと、街を感じる、自然を感じる、歩けるといったカテゴリーがあります。ちなみに、「歩ける」にのみ、41位ですが町田市が、ランクインしています。つまり、町田市はその調査によると、歩いて楽しい町ということなるのです。

 センシュアス・シティにとらわれることはありませんが、町田市が様々な指標で上位に来るように、今回は次の項目で一般質問をいたします。
1、運転免許証の自主返納について
2、芹ヶ谷公園町田駅間のバス運行社会実験について
3、遺贈寄付について
4、女性の労働力率(M字カーブ)への対応について

 まず、項目番号1、ですが、去る10月28日に起きた事故では、87歳の男性が運転する軽トラックが集団登校中の小学生の列に突っ込み、1年の男子児童(当時6歳)が亡くなられました。また、栃木県下野市の自治医大病院では11月10日、84歳の男性の乗用車が病院玄関前の歩行者用通路に突っ込み、3人を死傷させました。12日には立川市の国立病院機構災害医療センターで83歳の女性の運転する乗用車が歩道に入り、2人をはねて死亡させました。

 いずれも運転をしていたのは、80歳以上の高齢者でした。今まで、高齢者というと被害者としての側面が重視されていたように思いますが、加害者となってしまう高齢者が多く見られるようになっています。

 警察庁によると、全国で約1,700万人いる65歳以上の免許保有者のうち、昨年の返納者は約27万人です。
 また、昨年75歳以上の約163万人が免許更新時に認知機能検査を受け、そのうち約54,000人が「記憶力、判断力が低い」と判断されました。

 このような状況の中で、基礎自治体である町田市がどんな施策を講じることができるでしょうか。
 そこで伺います。
(1)認知症対策を強化した改正道路交通法が来年3月に施行されるが、交通事故が多発していることを鑑みて、それへの対応を問う。

 次に、「芹ヶ谷公園町田駅間のバス運行社会実験について」です。以前から、芹ヶ谷公園は中心市街地にありながら、高低差が非常に大きいため、特に高齢者から、交通アクセスに関して利便性の向上を求める要望が寄せられていたところです。

 そこで、市では10月の土日及び休日に、芹ヶ谷公園と町田駅間にバス運行の社会実験をおこなったところですが、その結果を踏まえて、伺います。

(1)去る10月、芹ヶ谷公園と原町田大通りの間に、無料のシャトルバスを運行する社会実験を実施したが、実験とアンケート調査の結果、及び今後の展開を問う。

 項目番号3は、「遺贈寄付について」です。
 遺産を公益性の高い団体などに譲渡する「遺贈寄付」に関心が高まっていることを受け、先月「全国レガシーギフト協会」が発足されました。

 そのHPには、次のように記されています。「今日の日本では、年間約50兆円の規模で相続が発生しており、その多くは亡くなられた方から配偶者や子ども、兄弟姉妹といった親戚などに財産が継承されています。

 一方、遺贈寄付によって学校や橋を建築するといった公共への寄付や、NPOなどへの財産の寄付の事例もこれまで見られており、そうした遺贈寄付、資産寄付への関心が高まりつつあります。一方、財産所有者が遺贈寄付などの社会貢献に関心持ったとしても、使い道が明確な寄付先や信頼できる相談先がなかったり、具体的な方法がわからないために、寄付に踏み出せないという状況もあります」ということです。

 また、日本財団が今年4月にもうけた遺贈寄付サポートセンターによるアンケートの結果、約3割の方が「遺贈したい」「興味がある」と答えています。

 自治体に遺贈する動きもあります。大分県は、昨年、県立盲学校の元校長のお孫さんから六本木ヒルズの1戸を譲り受け、今年2月にそれを入札したところ、約2億円で売れたそうです。
 そこで伺います。
(1)遺産を公益性の高い団体等に譲渡する「遺贈寄付」に関心が高まっているようだが、それへの取り組みを問う。

 最後に、「女性の労働力率(M字カーブ)への対応について」です。
 このM字カーブについては、あらためて説明する必要もないと思いますが、念のため申し上げますと、有斐閣の『経済辞典』では、次のように説明しています。「結婚・出産で退職し、子育て終了後再就職するという日本女性の働き方を、年齢階級別の労働力率で表すと、M字型のカーブを描くことからこのようにいわれる。欧米の先進国ではすでにこのM字型は見られなくなっている」というのです。

 つまり、M字カーブは、先進国一般に見られる現象ではないということです。

 それに関して、わが国の政府は手をこまぬいてはおりませんで、平成22年の閣議決定では、25歳から44歳までの女性の就業率を2020年までに73%とする目標が掲げられました。

 年齢階級別に就業率、潜在的労働力についてみると、女性は両方ともにM字型を描いているものの、就業率と潜在的労働力率の差は大きく、最も格差がある「35〜39歳」では、15.8%、「30〜34歳」でもその差は15.3%と大きく、働く意欲はあるものの就業に結びついていない者が多く存在していることがうかがえます。

 総務省の労働力調査によれば、非労働力人口の女性のうち、303万人がなお就労を希望しているそうです。
 あるホテルの副支配人は、このように言っています。「主婦をがんばってきた50代や60代の女性は、社会の眠れる財産。活用しない手はないのです」。

 そこで伺います。
(1)わが国の女性の労働力率をみると、M字カーブと呼ばれる現象がみられる。それに対しての見解を問う。

 以上、壇上からの質問とさせていただきます。