町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

2010年 議会運営委員会 行政視察(会津若松市他)報告書議員活動

2010.08.09(月)

 2010年8月2日から4日にかけて、町田市議会議会運営委員会の行政視察が、会津若松市、山形市、高崎市の3市において行われましたので、同委員のらん丈がそれに参加し、その際の報告書をここに掲示します。

行政視察報告書
議会運営委員会行政視察
平成22年8月2日(月)〜平成22年8月4日(水)
視 察 先及び調査事項
福島県会津若松市・山形県山形市・群馬県高崎市

・議会の運営に関する事項について
・議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項について
・議長の諮問に関する事項について
・議会報に関する事項について

 視察所感
【会津若松市】
1、会津若松市議会における議会改革の取り組みについて〜議会基本条例及び政治倫理条例を中心に〜
 平成19年に執行された今期の会津若松市議会議員選挙を終えた後、初めて開会された同市議会において、新たな同市議会議長は選挙によって選出されることとなり、その結果候補者は3名となり、その後議長となる候補者は、政治倫理条例の制定をはじめとする議会制度の検討を議長公約に掲げた。その結果、当選した現在の議長から同年5月28日の代表者会議において、「議員の政治倫理は、議会のあり方を適切に見極めたうえで検討すべき」とする基本的な考え方が示された。

 その後、同年6月22日の代表者会議において、議長から、「会津若松市議会における議会改革について(案)」が示され、その中で、「議会のあり方を見極め、市民の負託に応えうる議会づくりを実現させるためのツール」として、「議会基本条例」の制定をはじめとする検討事項が、議長から提案された。この議会改革への取り組みについては、全会派(5つ)等、大方の議員による賛同を得た。

 こうした経緯をたどった後、同年7月6日に、議会制度検討委員会が設置され、7月19日の第1回委員会において、議長から同委員長に、「議会制度の検討について」の諮問がなされた。

 以来、議会制度検討委員会では、議長から示された、「平成20年6月定例会への議会基本条例及び政治倫理条例の2条例の上程」を目標に約11ヶ月の間に、19回の会議、2回の講演会、4回におよぶ議員全員協議会を開催するとともに、5月には、ホームページ上でのパブリックコメントや5会場における「市民との意見交換会」(135人、80の意見聴取)も開催しながら、調査研究と具体的検討を積み重ねてきた結果、平成20年6月18日、議会基本条例(賛成総員)及び議員政治倫理条例(賛成多数)が原案可決された。

2、議会基本条例の基本構造
 同条例6条に、次のように記されている。
「議会は、広報広聴機能の充実のため、議員で構成する広報広聴委員会を設置する。」

 こうして、広報広聴委員会が同条例の施行日に設置され、同条例5条第4項「4 議会は、市民の多様な意見を把握し、反映しうる合議体としての特色を最大限に生かし、市民参加の推進に努めるとともに、市民との意見交換の場を多様に設けるものとする。」にある、意見交換会は同条例が施行された翌々月には、第1回が開催された。

 この意見交換会は、伊賀市議会にある議会報告会ではなく、同条例5条4項にある「市民参加の推進に努めるとともに、市民との意見交換の場を多様に設ける」ことを実現させるものである。

 議会報告会ではなく、意見交換会をつくることに会津若松市議会は、こだわりをもったようである。
 それは、意見交換会で問題発見をし、それを広報広聴委員会での課題設定につなげ、その上で、13条「議会は、市政に関する重要な政策及び課題に対して、共通認識及び合意形成を図り、もって政策立案、政策提案及び政策提言を推進するため、政策討論会を開催するものとする。」にある、政策討論会を開き、その後、議員間で討議し、その結果、議決をするという流れをつくるために必要なものとされたからであろう。

 ここでの政策討論会は「予習」であり、定例会が「授業」となり、意見交換会は「復習」となるという位置づけである。

 尚、意見交換会においては、市民による個別の意見には、議員が個々に対応することはなく、後日議長名で答弁するとのことであったが、そこまで徹底して市民の意見を聴取しようとする姿勢には、尊敬の念を禁じ得なかった。

【山形市】
1、議場システムのリニューアルについて
 議場の音響・映像設備は、山形市庁舎が新築された昭和58年(1983年)から設備全体の更新を行っていないため、26年が経過した昨2009年に至り経年劣化が著しくみられるようになり、会議中に原因不明のハウリングが発生する等、会議進行や録音状態に支障を来たすほどまで悪化していた。

 庁舎管理担当課及び財政担当課長等との数年来の協議の結果、2009年度に議場音響・映像設備の全面改修が決定された。(改修工事に伴う予算の所管は管財課)

 工事に当たっては、他市議会の状況等の調査及び視察を行いながら基本的な考え方や機器仕様等について検討した。

 その中で、これまでのアナログ時計及び発言残時間表示ランプを分かりやすい表示のデジタル式に変更するとともに、撮影映像、質問補助資料(パーソナルコンピュータに対応)なども、議場で使えるように、2台の大型ディスプレイを設置することにした。

 2009年9月定例会終了後に工事に着手し、同年12月定例会から、新システムでの運用を開始した。さらに、2009年12月での議会運営委員会での審議を経て、2010年3月定例会から、議場へのパーソナルコンピュータの持込が可能になり、それとともにパーソナルコンピュータを使っての一般質問の際の大型ディスプレイによる補助資料表示も開始された。

 その結果、「百聞は一見に如かず」を地で行くように、事案が可視化され、明確化されることになったが、会議録にそれを残せないという問題は残った。

2、議会報について
 山形市議会議会報では、点字版を平成13年度から発行している。それは、ダイジェスト版を点訳し、それをボランティア団体へ委託することで発送している。なお、点字版議会報の発行部数は、50部である。

 また、声の議会報というカセットテープによる議会報も、市内高等学校放送部の協力を得て、同じ平成13年度から発行している。

 それに加えて、平成20年12月からは、音声コード版による議会報も発行するようになった。これは、A6サイズ用紙の4隅にコードを印刷し、希望者に送付している。音声コード読み取り機を使うことで、議会報を音声化し、それを聞くことができるようになる。なお、音声コード読み取り機を購入する際には、助成金がつく。

【高崎市】
1、本会議の運営について
1)委員会への負託を省略される議決案件の種類
(1)専決処分の報告及び承認
(2)人事案件
(3)市道路線の廃止・認定
(4)市の区域内の町の区域の変更及び字の区域の変更、廃止について
(5)一部事務組合及び管理組合等の規約の変更

2)代表質問(総括質問)は、予算と決算のみに関して行う。したがって、代表質問が行われるのは、3月と9月の定例会で実施される。その上で、一般質問も実施される。

 尚、代表質問の対象となる事項及び発言内容は、施政方針と当初予算の両方である。その際の、発言時間と発言回数は制限されており、その通告期限は、定例会の質問日の7日前までである。

3)個人情報の取り扱いについて
(1)議案について
 人事案件における委員等の住所及び生年月日、損害賠償額の決定及び和解、契約締結、訴えの提起、権利放棄における相手方の住所及び氏名について、議案書に掲載しているが、提案理由の説明の際には、住所は町名までとし、番地及び氏名については省略している。また、生年月日ではなく年齢を読み上げることで対処している。

(2)請願・陳情文書表について
 特に無し。

2、議会の自治基本条例への関与について
 自治基本条例策定過程に係る議会の関与については、自治基本条例調査特別委員会を設置して対応しているが、自治基本条例を考える会と自治基本条例調査特別委員会や市議会議員との意見交換会等も行っている。

3、ホームページについて
1)概要について
 市議会の概要や会議の日程、議員名簿等を掲載している。また、PDF版の市議会だよりの閲覧や会議録の検索も可能である。

2)議員登庁状況については、事務局職員が登庁状況を随時修正してホームページにアップしている。