先週の18日(土)、19日(日)の2日間にわたって、2003年度の大学入試センター試験(以後、センター試験)が行われました。
18日は、らん丈の地元で「ふるさと町田寄席」を開いていましたし、1981年に文学部を2002年には経済学部を卒業している(詳細はHPプロフィール参照)ぼくは、いまさら大学入試でもあるまいとその翌日、つまり19日の新聞に、前日行われたセンター試験の問題が載っているのを見るまでは、一切関心がなかったのでした。
魔が差したというのでしょうか。前日行われた試験科目のうち、世界史B日本史B地理Bの問題を見ると、「難しいながらも何とかなりそうだ」と勝手に思ってしまったのでした。
決定的だったのが、翌日の国語1・国語2の問題を見たときです。「日本人が国語の問題を解けなくてどうする」と、思い込んでしまったのでした。
それが、とんでもない思い違いだとは、問題を解き始めてすぐに思い知らされるのですが、そのときはそんなことには露ほども思いが及ばないのでした。
さきほど大学を2度卒業したと記しましたが、経済学部への入学は、3年次編入学試験を受験したので、一般の入試を受けたわけではありません。また、文学部は1977年に受験したため、1990年から実施されたセンター試験はおろか、1979年から導入された共通一次試験も受けたことはありません。もっとも、私立文系志望の、さほどできのよくない高校生だったぼくは、浪人しても国公立大学を対象とした共通一次試験は受験しなかったでしょうが。
それなのに、センター試験の問題に挑戦しようと思ったのは、先ほど述べたようにまさに”魔が差した”としか言いようがありません。それが証拠に、センター試験が始まって今年で14回を数えますが、その試験問題を解いてみようとは今までただの一度も思いつきはしなかったのですから。
まして、04年度に国立大学の法人化が予定され、それとあいまって大学生の学力低下が問題視されるなか、国立大学協会が基礎的な学習の到達度を測るために、現行の5教科6科目から、5教科7科目へ試験科目を増やすように提言したという新聞記事を読んでも、その科目の名称からして分からないのでした。
5教科、これは英語、国語、数学、理科、社会だろうと見当をつけたところ、まずここからして間違っていました。正しくは、外国語(英語、ドイツ語、フランス語、中国語、朝鮮語)なのです。英語以外の外国語で受験する高校生が、数が少ないとはいえ、いるのでしょう。こういうのを知ると、浦島太郎になった心持になりますね。
分からないのが、6科目から7科目に来年度から科目が増えるといいますが、現行の6科目が分からないのです。外国語と国語と数学と理科と社会の5教科から、それぞれ1科目ずつ選択して5科目ならば、分かりやすいのですが、現行でも6科目あるという。それが、来年度から理系学部は理科を1増の2科目に、文系学部も地理歴史・公民の社会科を2科目に増やして7科目にするといいますから、理科も社会も現行は1科目です。外国語は1科目しか選択できませんから、これも違う。すると残りは国語と数学ですが、国語も科目こそ国語1と国語1・国語2に分かれていますが、これも2科目選択は不可能なので、やっと犯人(?)は数学の2科目だと見当がついたのでした。数学が、数学1と数学2に分かれているのが、そもそもいけない(どこが?)。
つまり、文学部に入学を志望する高校生でもすでに、数学は2科目受験しているのです。偉いもんです。その数学1と2の科目を見て驚きました。数学1は、数学1と数学1・数学Aの2科目からなります。数学2の科目がスゴイ。数学2、数学2・数学B、工業数理、簿記、情報関係基礎の5科目からなっているのです。ぼくは経済学部を卒業しましたが、簿記は恐れをなして受講しなかったほどですから、この科目名を見ただけでも眩暈に襲われそうになりました。
これでやっと「5教科6科目」の謎が解けたのですが、解けなかったのが、果敢にも挑戦した国語1・国語2の問題でした。
問題は大きく分けて4問からなっていました。現代文は、山下勲さん(存じ上げません)の評論と、すでに物故している作家野呂邦暢の小説の一節、古典は荒木田麗女(これも初めて知りましたが、江戸後期の女流文学者だそうです)の『五葉』の一節、漢文は紀昀『閲微草堂筆記』の一節でしたが、もちろんこの紀昀も、初めて見る人名でした。「きいん」と読むのも、仮名がふってあったからかろうじて読めたほどなのですから。
試験時間は80分で200点満点です。まずは、山下勲さんの『世界と人間』からの一節を題材にした問題です。最初は、漢字の問題。これは難なく全問正解。
ところが、ここから後は苦闘の連続でした。以下6問にわたって、文中の意味を明確化する問題でしたが、このうち正解は、たったの2問のみ。点を稼がなくてはいけない現代文でこの惨状ですから、本当はもうこれ以上このレポートを書く気はないのです。なぜなら、これからはぼくの恥の羅列となってしまうからです。
それでも、ここまで読んでくだすった方に試験の結果をお知らせすることなくこのレポートを終えたのでは、不誠実といわれても仕方がありません。したがいまして、点数の報告は次号へのお楽しみということで、今日のところはご勘弁を。