町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

『都市』第94号・2023年8月俳句

2023.08.23(水)

【青桐集】
客人の帽子出てくる春炬燵

主宰寸評: この客人は気の置けない間柄のようだ。
炬燵に招かれて、脱いだ帽子を脇へ置いたつもりが
炬燵の中に入ってしまった。長尻をして「ではっ」と、
帰るときに帽子を忘れたのだ。面白い句である。
今瀬一博(「対岸」「沖」同人):何となく思い切れ
ず仕舞えないでいた「春炬燵」の、興ざめな存在感。
「客人」の忘れ物は、冬帽か。益々拍子抜けの作者の
表情が見えるような作品。
春めきて地卵いよよ重み増し
菜の花や吹けないくせに口笛を
クラス替へ決まり見詰むる雪柳
相撲取自転車こいで風薫る

【都市集】
凍解や自転車のベル高らかに
永き日の美術館にて友と遇ふ
太公望釣竿上げて桜守
献血の帰りに開く春日傘
斜交ひの麦藁帽子直されて