町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

『都市』第98号・2024年4月俳句

2024.04.17(水)

【青桐集】
梯子乗り一点見つめ昇りをり

障子に映る我が身を攻める仔犬かな
パラフィン紙粉粉となる憂国忌
図書館の行きも帰りも枇杷の花
昨年の続きを開けて読始
黒岩 徳将(いつき組・街)
 スマートフォンのアプリを使えば、
前回読んだ箇所を的確に示してくれ
るのだが、この句は紙の本と解釈し
た方が本の手触りを感じるし、栞が
あるかもしれないなどと想像の余地
が膨らむだろう。新年の清々しい気
分を寿ぐように詠むのではなく、年
が変わっても淡々と本を読み進めて
いく主人公の平静ぶりを楽しみたい。
考えられる日時は様々だが、いっそ
のこと元日の深夜につい先ほど中断
していた読書を再開するという句な
らなお面白いと思う。

【都市集】
友引に寄席開く寺夜鷹蕎麦
眼を休め遠くを見るや帰り花
熱燗や御礼の声は高らかに
首にざぼん提げて来たれる松葉杖
帽子脱ぐ間もあらばこそおでん酒