町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

俳句 記事一覧俳句

『季刊芙蓉』第38号・1998年冬

1998.12.01(火)

手を引かれピョンと飛び越す茅の輪かな
待ちかねた白南風頼む干布団
とくとう禿頭と西瓜どうしても叩きたい
休暇明け寝癖のままに登校す
夏休み石鹸乾ぶ水飲み場(★)
蝉時雨耳があるのかお前たち
そぞろ寒帰路急ぐ子の影長し
赤とんぼ怖がる手から逃げおお果す
釣堀で会うそのひと女の声知らず

『季刊芙蓉』第37号・1998年秋

1998.10.01(木)

眠る妻の瞼にベーゼ春の朝
母の日に見るそのしわはぼくのせい
汝と我鼻赤くして夏の酒
背中に目欲し球場のビール売り
噴水やアキレス腱を伸ばす人
噴水をいつまでも見る老女かな
手のしみを隠す仕種や竹落葉(★)

『季刊芙蓉』第36号・1998年夏

1998.07.01(水)

他所びとにうるさいだけや秋祭
片付けを大儀そうにし秋祭
朝刊来てチラシずつしり師走かな
お賽銭投げて届かず初詣
腕のない手があり見れば手袋
冬の朝結露がありてガラス泣く
冬の朝布団の温み悪魔かな(★)
花にただ一瞥をくれあとは酒
心中物反りし首締む雪の中