らん読日記 記事一覧らん読日記
城山 三郎『指揮官たちの特攻』−幸福は花びらのごとく(新潮社)
本書は、城山三郎の晩年ともいえる2001年に「小説新潮」の5月号から8月号に連載した、『花びらの幸福−青年指揮官たちの特攻』に、大幅加筆したドキュメント・ノベルです。
そこでは、海軍兵学校の同期生だった、特攻隊第1号、関行男大尉と最後の特攻隊員、中津留達雄大尉が対比して描かれています。
白井 尭子『福沢諭吉と宣教師たち』−知られざる明治期の日英関係(未来社、1999年)
1、はじめに
「福沢諭吉は、明六社員中、いな、明治以後の思想家の中で、後世に最も大きな影響を与えた思想家であったし、現在も尚、影響を与え続けている思想家である。そのような福沢の多面的な活動を限られた紙幅の中で論ずることは殆ど不可能に近いので、ここでは福沢」[1]とキリスト教、特にプロテスタント、なかんずく英国国教会との係わりを中心に考えてみたい。
2、福沢とキリスト教
松沢弘陽〈北海道大学〉名誉教授は、「近代日本において、福沢ほど声望の盛衰が大きく、評価が分かれる思想家は少ない」[2]と指摘しており、「日本の近代化に大きな影響を与えた福沢諭吉は、一般には宗教に対する批判者として知られ、内村鑑三は1902年に福沢を次のように「宗教の大敵」と呼んだ。
堀勝洋『社会保障・社会福祉の原理・法・政策』ミネルヴァ書房
木下 秀雄「『権利の体系としての社会保障』の意義」「法律時報」79巻8号
【箇所】2009年度前期 早稲田大学大学院法学研究科
【科目】社会保障法理論研究
【担当】菊池 馨実 教授
【著者】木下 秀雄〈大阪市立大学 法学部〉教授
【タイトル】「『権利の体系としての社会保障』の意義」
【掲載誌】「法律時報」79巻8号(2007年)
《本論文の構成》
はじめに
一 要保障者の「主体性」と社会保障の権利
二 人間の尊厳の理念と生存権
三 具体的争訟と普遍性
丸谷 才一・山崎 正和『日本語の21世紀のために』(文春新書)
ぼくにとって最も面白いと思う対談は、丸谷才一と山崎正和によるものですが、もはやお二人ともこの世の方でないのは、残念としかいいようがありません。
このお二人は、じつに多くの対話を重ねてきましたが、そのお二人による、近代日本語の運命に対する関心を基調とした対話は、意外なことに本書に至るまで、ありませんでした。
文字どおり、満を持しての対話であり、まことにもって面白い内容でした。
とくに興味を惹かれたものを以下に箇条書きにしてみます。
西原 博史「人権論Ⅲ・生存権論の理論的課題」「法律時報」80巻12号
高島俊男『天下之記者』「奇人」山田一郎とその時代(文春新書)
アジア太平洋戦争以前、東京の私立大学について、こんな見立てがあったそうです。いわく、「三田の理財、早稲田の政治、駿河台の法学、白山の哲学」
三田とはいうまでもなく慶應義塾大学の謂いであり、理財とは現在の経済学部を指します。早稲田については、あらためていうまでもないでしょう。駿河台とは当時そこにキャンパスがあった、現在の中央大学を指し、白山とは今もキャンパスがある、私立「哲学館」として創設された東洋大学のことです。
司馬 遼太郎『この国のかたち』六「歴史のなかの海軍」(四)(文春文庫)
このレポートは、「まちだ史考会」における読書会において、『この国のかたち』の担当分として作成したレジュメです。
以下に、小単元(本文で1行空いている段落毎に一括りにした単位)の順に、その梗概をまとめ、その後、本欄の主人公、山本権兵衛への注釈を加えます。
1、明治になり、それまで幕府と諸藩が持っていた小規模な艦船を集めて日本海軍が創設されたが、それは、脆弱を極めたものに過ぎなかった。
それでも、技術好きな国民性の故か、明治も20年代に入ると艦艇がいくらか揃い始め、二流ながらも海軍らしい陣容を整えるようになった。
ただ惜しむらくは、海軍当局の人材は玉石混淆のままであったことである。
中根 千枝『タテ社会の人間関係』単一社会の理論(講談社)
【箇所】早稲田大学大学院 社会科学研究科 地球社会論専攻
【科目】日本研究・日本文化論Ⅱ
【担当】内藤 明〈早稲田大学 社会科学総合学術院〉教授
「ウチとソトを峻別したがる日本人と粗笨な対応に終始する非日本人」
1、はじめに〜ウチとソトを分ける日本人、分けない非日本人
筆者が現在(2007年度)在籍する、早稲田大学大学院社会科学研究科には、少なくない外国人留学生が在籍している。
その留学生のうち多くの方々は、その外貌と日常の使用言語から、中国系ないしは韓国系の方々と推察される。
当科目の受講者にも、一定数の中国系ないしは韓国系とみられる外国人留学生の方々が在籍しており、それらの留学生の方々は、通常ひとかたまりに着席している。
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