その十 『いどばたかいぎ』06年09月号
九月とはいえ地球温暖化の影響か、厳しい残暑が続いており、すると自然と涼感を求めたくなるものです。
寄席では、咄でお客様に涼しくなっていただこうと、夏場は怪談噺を聞いて頂くのが恒例となっております。
この場合、怪談に出てくるのは、幽霊や化け物であって、決して「階段」ではないので、お間違えのないように。
さて、その幽霊と化け物ですが、全く別物というのは御存じでしたでしょうか。
つまり、幽霊も化け物も、生前は大抵の場合、女性です。相撲取りだった幽霊というのは、聞いたことがありません。
その女性がこの世にいるときに、綺麗だった方の場合は、幽霊となり、そうでなかった方の場合は化け物となるのであって、まるで違うのです。
もちろんその際、幽霊となるか化け物となるかは、自己申告ではありませんので、検査係でもいるのでしょう。結構賄賂が横行しているのではないかしら。