・町田市の今後を考える
・一般質問が次々に実現
町田市の今後を考える
1 市の最高の理念は、基本構想
21世紀を迎えて早くも10年が経ちましたが、その間、政治や行政の世界では、じつにしばしば「地方分権」、あるいは、「地方自治」が話題に上りました。それは、地方に権限を移譲して、各自治体でそれぞれに見合った行政経営を図ったほうが、より効果的に行えるという議論を踏まえてのものです。
平成19年4月に内閣府に設置された地方分権改革推進委員会による、第3次勧告では、「地方分権改革は、住民に身近な行政に関する企画・決定・実施を、一貫してできる限り地方自治体にゆだねることを基本として、国と地方の役割分担を徹底して見直す取組みである」としています。
その日本の地方自治制度は、二層制といわれ、広域自治体として47都道府県のもとに、1,700余の基礎自治体としての市町村があります。いわば、地方政府として、都道府県と市町村があるのに対して、中央政府は日本国政府ひとつがあるのみです。
その日本国政府の最高規範は、いうまでもなく、日本国憲法であり、憲法によって日本国は統治されています。では、地方政府の最高規範はなんでしょうか。一言でいうのは難しいのですが、地方自治法はそのひとつといえるでしょう。
地方自治法では、市町村は、どのように統治しなければいけないものと定めているのでしょうか。昭和44年の改正によって、その2条4項に次のように、記されるようになりました。「市町村は、その事務を処理するに当たつては、議会の議決を経てその地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め、これに即して行なうようにしなければならない。」
こうして、町田市を含む全ての市町村は、基本構想を議会の議決を経て定めるのです。
これを「法定計画」と呼んでいます。町田市の現基本構想は、「2004年度を初年度とし、基本構想、基本計画ともに10年とします。」という計画期間ですから、2004年度から2013年度までということになります。ちなみに、当時は寺田和雄市長でした。
上記の基本構想とともに、基本計画という文言もみえますが、その基本計画を、町田市は新たに策定している真っ最中なのです。
そこでは、町田市基本計画「(仮称)まちだ未来づくりプラン」、「(仮称)町田市新5ヵ年計画」の策定に向けて、8月11日から9月9日まで市民のご意見をうかがうパブリックコメントを実施していました。
町田市が2008年度からパブリックコメント制度を導入したことは、すでに多くの方々は御存じのことでしょうが、念のために同制度をご説明しますと、それは、「市の基本的な政策の策定過程でその情報を広く公表するとともに、意見を募集し、提出された意見の概要とそれに対する市の考え方を公表する一連の手続のことです。市民協働のまちづくりの推進、及び政策の内容をより良いものにすることを目的に行います」というものです。
2 町田市基本計画「まちだ未来づくりプラン」
町田市では、その将来構想として、2012年度から2021年度までの10年間に、何を目標にどのようにまちづくりを進めていくのかを示す町田市基本計画「(仮称)まちだ未来づくりプラン」の策定に、現在取り組んでいます。
それに際して、学識経験者や市内で様々な活動を行っている市民団体の代表者で構成される「町田市長期計画審議会」による検討や、約1,200人の「町田市基本計画検討市民モニター」の皆さんからのご意見をもとに、計画案が完成しました。
その計画は、10年を超えた長期的な視点で取り組む「未来づくりプロジェクト」、10年間のまちづくりの方向性を示す「基本目標」、行政経営課題の解決に向けた改革の方向性を示す「行政経営基本方針」で構成されています。
また、町田市基本計画「(仮称)まちだ未来づくりプラン」で示した方向性や道筋を具体化するための実行計画として、「(仮称)町田市新5ヵ年計画」の策定もあわせて進めています。
新5ヵ年計画は、「重点事業プラン」、「行政経営改革プラン」、「財政見通し」の3つから構成されています。
それぞれ詳細は、町田市のHPに掲載されておりますので、是非、ごらんください。→https://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/index.html
(7月28日記)
一般質問が次々に実現
町田市議会定例会は、「町田市議会の定例会の招集時期を定める規則」により3、6、9、12月に開かれます。そこで、町田市議会の場合、議員による一般質問が、4日間にわたって行われます。一般質問とは、町田市議会会議規則62条で、「議員は市の一般事務について、議長の許可を得て質問することができる」とされているものです。
なお、その時間は、町田市議会申し合わせ事項に、次のとおりに定められています。「一般質問の発言については、回数の制限はなく、1人60分の範囲内で行ない、答弁者の発言はこれに含める。」
つまり、議員は答弁を含めて、1年間に4時間をつかって、町田市の一般事務について質問することができるのです。
ぼくの質問の内容は、小誌4頁に掲載しているとおりですが、議員の一般質問での要望事項を、市ではなかなか実現してくれないのが現実です。
たとえば、町田市には1,000人規模のホールはありませんが、一般質問で、是非町田市にもそのようなホールをつくってください、と採り上げて、「分かりました。議員のおっしゃるとおりです。それでは、ホールを作りましょう」とはならないのです。なぜならば、市の予算は無制限ではないからです。そこには、自ずと制約が生じるのです。
従いまして、ぼくは、あまり予算を掛けることなく、しかし、町田市にとって欠くべからざるを得ないと思われる施策の実施を、一般質問で採り上げることがしばしばあります。
今定例会では、そんな視点から、町田市ホームページのファビコンと町田市民病院のお見舞いメールを採り上げました。
ファビコンとは、聞きなれない言葉でしょうが、ウェブサイトやホームページに関連付けられたアイコンのことで、アドレスバーの左側にある、マークの画像がそれです。たとえば、東京都のホームページであれば、東京都のマークであるイチョウがファビコンに採用されています。
町田市のホームページでは、ファビコンに是非市章を採用していただきたいと要望したところ、早速町田市はそれを実行するとの御答弁をいただきました。
お見舞いメールとは、たとえば、府中市にある都立多摩総合医療センターではすでに導入されているのですが、今日ではe-mailを活用されている方が数多くいらっしゃるのを踏まえて、なんらかの事情でお見舞いに伺えないときに、メールでお見舞いの言葉を病院に送ると、それを病院では入院している患者さんに伝えてくださるというもので、多くの病院がすでに実施しているので、是非、町田市民病院でも実施していただきたいと要望したところ、これも早ければ今年(2011年)中に実現されそうです。
このように、一般質問で採り上げた要望等を、町田市が実行してくださるというのは、議員として欣快の至りですが、ここに日本の地方自治の本質が透けてみえます。
日本の中央政府は、議院内閣制をとっており、内閣総理大臣は国会議員によって選ばれますが、地方自治は、首長主義といって、行政部の首長である知事や市町村長と都道府県議会あるいは市町村議会の議員とは、ともに住民の直接選挙によって選ばれます。
その議会の権限には、議決権、決定権、検査権、不信任議決権、請願受理権等があります。
それに対して、地方自治体の長は、地方自治法によれば、「147条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。148条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の事務を管理し及びこれを執行する。」となっており、議会と長の違いは明白です。
つまり、地方自治体の意思決定は、長と議会のふたつの政治的代表機関の抑制と均衡を基本としているといってよく、こうした政治制度は、二元代表制あるいは大統領制とよばれています。
二元代表制の下での、議員による一般質問での要望は、執行するのは長であることを考えれば、徒に行えばよいというものではありません。要望を実現させるためには、そこには一定の技術が必要だと思うようになりました。
その一般質問ですが、町田市議会の場合、定例会が開かれる3、6、9、12月に繰り広げられます。日程は、「広報まちだ」や町田市議会のホームページに掲載されるので、お時間が合えば是非、傍聴にお越しください。
本会議場は、中町にある町田市役所本庁舎5階にあり、議会事務局で手続きをした後、傍聴できます。もちろん、事前予約はなさらなくても当日でも受付をしています。お時間が合わない方のために、町田市議会では、本会議場での模様は、インターネットで配信をしておりますので、そちらでしたら、お好きな時間にごらんになれます。https://www.gikai-machida.jp/