町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

はるかぜ vol.22 2016年10月号市政報告『はるかぜ』

2016.10.01(土)

・町田市の予算2016
・平成27年度(2015年度)町田市一般会計・特別会計歳入歳出決算及び 平成27年度(2015年度)町田市各基金の運用状況の審査意見について
・あらたなる挑戦
・政治家を育てるのはだれか

町田市の予算2016

 おそらく市議会議員にならなければ、わたしは町田市民でありながら、その予算をほとんど気にかけることはなく、過ごしていたはずです。

 「政治は予算だ」とは、じつによく聞くことばですが、政治の機能のうちその根幹をなすのは、予算編成といっても過言ではないでしょう。この『はるかぜ』でも幾度か採り上げており、17号でもふれました。

 たとえば、町田市の平成28年度一般会計予算は、約1,402億円です。

 歳入のうち、市税収入は、約673億円で、48.0%を占めます。つまり、歳入の約半分は自前で調達しており、それ以外の歳入は、国や都からの補助金や借金に頼っているのです。

 次に歳出をみると、最も多く使っているのは、民生費で、53.9%を占めます。民生費の目的別の内訳をみると、児童福祉行政に要する経費である児童福祉費、老人福祉費、障がい者等の福祉対策や他の福祉に分類できない総合的な福祉対策に要する経費である社会福祉費、生活保護費、非常災害によるり災者に対して行われる応急救助、緊急措置に要する経費等の災害救助費です。この民生費に、町田市は一般会計では、半分以上を支出しているのです。

 わかりやすくするために、市税を1万円に換算してその使いみちを示すと、次のようになります。

  1. 民生費5,390円53.9%
  2. 総務費1,030円10.3%
  3. 衛生費 910円9.1%
  4. 教育費 880円8.8%
  5. 土木費 810円8.2%
  6. 公債費 450円4.5%
  7. 消防費 380円3.8%

 このように、民生費が、町田市の歳出では突出しているのが、よくわかります。

 市税の種類は、普通税と目的税に分かれています。そのうち、普通税は、納められた税金の使いみちが特別に定められていないもので、市民税、固定資産税、市たばこ税、軽自動車税がそれに該当します。

 目的税は、納められた税金の使いみちが特定されているもので、事業所税、都市計画税、国民健康保険税、入湯税がそれに該当します。

 そのうち、国民健康保険税を町田市では、世帯の前年の所得の合計と加入者数に応じて計算しています。つまり、所得割額と均等割額と平等割額を足したものが、国保税額となるのです。その際、町田市も他市とおなじように、国保税だけでは国民健康保険を運営できず、国、都、市からの補助金に頼っております。


平成27年度(2015年度)町田市一般会計・特別会計歳入歳出決算及び 平成27年度(2015年度)町田市各基金の運用状況の審査意見について

 地方自治法にもとづいて審査された上記の会計について、さる8月18日に、町田市監査委員より審査意見が市長あてに提出されました。それは、インターネットにも公開されておりまして、URLは下記のとおりです。
https://www.city.machida.tokyo.jp/shi_kansa/kansa_kekka/kessan.files/kessan_15_ippan.pdf

 審査意見では、次のように記さています。「地方公共団体の財政の健全化に関する法律で規定された健全化判断比率及び資金不足比率は、本年度いずれも早期健全化基準、財政再生基準、経営健全化基準に該当していない」。

 つまり、町田市の財政状況は、法律に照らして、何ら問題はないというのです。

 「経常収支比率は90.3%で2.6ポイントの改善が見られる」とも指摘しています。

 「財源については、市財政の根幹である市税のうち個人市民税を見てみると、人口が多い年齢層が65歳以上に移行し生産年齢人口が減少している状況下にありながら、給与特別徴収となる納税義務者数が顕著に増加するなど就業状況に変化が感じられる」との指摘があります。これは、高齢者になっても給与所得を得る方が増加傾向にあることに、言及しているのです。

 「しかし、勤労者世帯実収入の推移は、世帯主収入や定期収入で改善を示しておらず、今後も市民税収入の大きな伸びは予想しにくい」との指摘へと、続いています。

 「本年度の市税収入は微増したものの、その動向に一喜一憂することなく、事業計画の 策定にあたっては、多岐にわたる情報の収集・検討が必要である」と、意見はつづいています。


あらたなる挑戦

 ひとは、年齢を重ねるほどに、あらたなことに挑戦しなくなる傾向が見て取れます。

 御多分に洩れず、わたしなどはその典型でして、このところルーティーンワーク(決まりきった仕事)ばかりで、なんでもいいからあらたなことに挑戦しなければ、老け込んでしまうと思い詰めていたのです。

 そこで思いついたのが、いささか唐突に思われるでしょうが、通信教育だったのです。

 それというのも、1981(昭和56)年に大学を卒業したのち、真打昇進後の、2000年~2002年と2005年から2016年まで、大学や大学院に合計13年にわたって通学してきましたが、いささか限界を感じていたのです。

 御蔭様で、市議会では重職を任じられるようになったので、たとえ市議会が開会されていなくても、会派室にいる時間がふえて、大学にはなかなか行けなくなってしまったのです。

 そこで、これが私らしいのでしょうが、テキストによる通信授業ならば、在宅で学習できるのだから、4度目の大学学士課程での学修に取り組んでみようと思い立ったのです。

 そこからは、早かった。じつは、2016年度に慶應義塾大学大学院法学研究科での修士論文提出を予定していたのですが、慶應義塾の通信教育課程では、義塾内の二重学籍が認められないため、法学研究科は自主退学しました。ただし、修了に必要な単位は修得していたため、「修了証(公共政策)」を授与されました。

 慶應義塾大学の文学部、経済学部、法学部の3学部に、通信教育の課程が設置されています。そのうち、すでに経済学部は卒業していますし、法学部は卒業しておりませんが、早稲田大学大学院法学研究科を修了しているため、「修士(法学)」はもっています。そこで、文学部を受験しました。以前に、立教大学文学部を卒業してはおりますが、そこではキリスト教学科に在籍していたため、今回は文学を主とする第3類を志望しました。

 選考に合格し、晴れて、2016年4月に、慶應義塾大学通信教育課程の文学部正科生として、学士入学が許されたのです。

 ただし、通信教育とはいっても、テキスト学習のみでは、慶應の場合、卒業できません。面接授業といって、スクーリングが必修(学士入学者は15単位以上)なのです。

 そこで、今夏、スクーリングによる面接授業を受講いたしました。ちなみに、慶應通信の場合、「スクーリングは基本的に通学課程の教員が行い、講義科目も通学課程と同じ内容で開講されます」(『塾生ガイド2016』108頁)。

 今年の夏期スクーリングは、8月5日から24日まで6日間ごとに、3期に分かれて実施されました。午前の講義は8時45分から10時30分までの105分が1時限で、2時限は10時45分から12時30分までの同じく105分の併せて210分で、それを6日間つづけて受講します。午後の講義は、午後1時30分から午後3時15分までが3時限、午後3時30分から午後5時15分までが4時限。こちらも併せて210分。

 1、2時限併せて1科目、3、4時限併せて1科目ですから、1日に2科目受講すると420分、ちょうど7時間の講義を受講したことになります。それぞれ、最後の授業時間内に試験が実施され、それに合格すると2単位を修得するというのが夏期スクーリングです。

 私は、今年度の夏期スクーリングでは5科目受講したのですが、炎天下、105分の講義を1日4回、7時間にわたって受講したことは、よい経験でした。

 まず驚いたのが、受講生の年齢の高さでした。70歳以上とおぼしき学生が、ごろごろいらっしゃる。なかには、群馬県の太田市から始発に乗車し、横浜の日吉や東京の三田での講義を受け、帰宅は毎晩午後11時で、それを18日間続けた方がいらっしゃった。ちなみに、この方も、外見上は70歳以上。

 私にしたところで、硬い椅子に座るのはつらいので、クッションを使用したところ、そのクッションがぺったんこになってしまい、後半は、使いものにならなくなったのです。

 それにしたところで、まだ、自宅から通学できるのはよいほうで、ホテルに泊まって通学している方も多々いらっしゃった。

 夏期スクーリングのキャンパスでは、いたるところで、学ぶ喜びに輝く顔と出会うことができたのが何よりの収穫でした。

 最後に、日本国憲法23条をひかせていただきます。「学問の自由は、これを保障する」。


政治家を育てるのはだれか

 1976年からアメリカで定期的に行なわれているギャラップ調査「誠実度と倫理観の職業比較ランキング(Views on Honesty and Ethical Standards in Professions)」の2014年の結果が昨年12月末に発表され、それによると、1位は看護師、2位は薬剤師、3位は医師でした。このように、米国では、医療関係者が職業ランキングで上位を占めているのが、わかります。ちなみに、国会議員は、20位でかなり下位です。

 ひるがえって、わが国で同様のランキングをみると、中央調査社のデータが参考になるでしょうか。

 中央調査社の調査によると、20歳以上の男女に10の日本の機関や団体の信頼度を5(たいへん信頼できる)から1(ほとんど信頼できない)の5段階で評価してもらったところ、平均評点が最も高かったのは「自衛隊」で3.7点でした。2009年に行った前回調査の3.2点より大きく上昇しており、中央調査社では「震災復興にあたる活動などが影響している」と分析しています。

 一方、中間の3点を平均評点が下回ったのは、「国会議員」(2.1点)、「官僚」(2.2点)、「マスコミ・報道機関」(2.6点)の3つ。特に「国会議員」は1点や2点を付けた割合が62.5%で、前回調査(47%)より16ポイントも増加していました。

 このように、米国もわが国も、議員への信頼度は低いものとなっています。

 しかし、議員は、間接制民主主義をとっている国では、なくてはならない存在なのです。その議員は、勝手に育つわけではありません。それに関して大嶽秀夫(京大名誉)教授は、次のようにコメントしていました。「政治家を育てなければいけないという意識が市民にないと駄目。不信感だけではいい政治家が出てこない」(朝日新聞2016年9月1日朝刊)。