7月31日 川崎市議会、視察項目【議会改革(議会機能の強化)の取り組みについて】
8月1日 枚方市議会、視察項目【議会改革(議会機能の強化)の取組について】
8月1日 堺市議会、視察項目【議会改革(議会機能の強化)の取組について】
8月2日 姫路市議会、視察項目【議会改革(議会機能の強化)の取組について】
【川崎市議会】7月31日
1、議会改革(議会機能の強化)の取り組みについて
(1)議会改革(議会機能の強化)に至る経緯について
1)予算審査特別委員会の常設化等の検討
議会運営検討協議会にて、予算審査特別委員会の常設化については、各委員の意見の一致に至らなかったため、常設化を見送ることとした。なお、
予算審査に係る運用面の更なる充実・改善を図るため、議会運営検討協議会の報告に基づき、次の5項目の見直しを行った。
1)できるだけ早期の予算案の公表及び早期の予算議会の開会に努めるよう市長側へ要請すること。(平成25年度予算から実施)
(2)これまでに検討・実施した事項について
2)各会派に対する当初予算案の事前説明を行う機会を設けるよう市長側へ要請すること。(平成25年度予算から実施)
3)予算議会において、代表質問終了後から予算審査特別委員会までの日数を、現行の1日から3日空けるよう見直すこと。(平成25年第1回定例会から実施)
4)既存の常任委員会を活用し、各所管局から、実行計画実施結果に関する報告を受ける機会を設けること。(平成25年8月の各常任委員会から報告を実施)
5)総務委員会での一般会計補正予算の議案審査において、必要に応じ、関係理事者として所管局職員の出席を可とすること。(平成24年11月20日議会運営委員会)
6)区長の一般質問等への出席(予決特に関する部分)
議会運営検討協議会からの報告のとおり、区長は、予・決算審査特別委員会へ出席することに決定した。
7)請願・陳情提出者に対する委員会における意見陳述の機会の付与
《協議会の結論》
委員から、請願者の趣旨説明を実施すべきとの意見、実施の必要はないとの意見、既存の制度(参考人制度及び請願紹介議員の趣旨説明制度)を活用すべきとの意見等があり、協議会としての意見の一致に至らなかったため、各委員の意見をもって協議会の報告として取りまとめた。(平成25年3月28日議会運営検討協議会)
《議会運営委員会の結論》
議会運委員会で協議を行ったが、請願・陳情提出者にたいする委員会における意見陳述の機会の付与について、意見の一致に至らなかったため、協議を終了した。(平成25年10月2日議会運営委員会)
(3)効果及び課題について
実施が決定したものを次にしるす。
1)市長の決算審査特別委員会への出席
議会運営検討協議会からの報告に基づき、次のとおり決算審査特別委員会の運営方針の見直しを行った。
その結果、これまで決算審査特別委員会い出席していなかった市長は、全体会の2日間に出席するようになった。
2)決特では、分科会方式にて審査することを導入した。
3)議場における質問残時間の表示を、実施した。
4)大都市税財政制度調査特別委員会を、設置した。
(4)今後の予定について
1)新庁舎移転後の議会運営に関する課題
・電子採決システムの導入
・議員発言台の活用
2)令和5年世話人会からの申し送り事項
・特別委員会からのあり方に関する協議
2、予算・決算の委員会審査について
(1)予算・決算の委員会審査の運営方法について(本会議からの流れ、委員会の種類、委員の構成、分科会の有無等)
1)予算審査特別委員会
・議員全員をもって構成
・本会議の代表質問終了後に設置し、分科会はない
・新年度予算、新年度補正予算を審査、通常4日間開催
・氏名、会派内順位を記載した通告書を開催日の前々日午後1時までに提出
・自席での個人質疑、答弁を含め1人30分、人数制限なし
・予算に関係する議案を審査する他の委員会との関係上、採決は行わず、「結論は本会議に譲る」としている。
2)決算審査特別委員会
・議員選出の監査委員2名を除く議員をもって構成
・本会議の代表質問終了後に設置、分科会あり
なお、分科会の分担事項は常任委員会の所管に準じる
・決算議案(一般・特別・企業会計)を審査、全体会2日間+分科会6日間の合計8日間開催
・分科会の質疑は、答弁を含め1人1日20分、2日合計40分
・総括質疑は、各派代表及び無所属議員が実施
・総括質疑終了後、決算審査特別委員会で採決を行う
3、傍聴の字幕対応について
(1)傍聴の字幕対応に至る経緯について
川崎市議会では、市民に開かれた議会を推進し、車いす傍聴席の設置など傍聴しやすい環境整備を進めてきましたが、障害者差別解消法が施行されたことを受け、より一層の障碍者等への合理的配慮について対応を検討しているところでした。
市長部局において「かわさきパラムーブメント」を推進するなかで、市議会の対応として、会議録作成のため研究していた音声認識システムを傍聴席における字幕表示として利用し、難聴者だけでなく聴力の低下した高齢者等も、いつでも傍聴しやすい環境を整えました。
(2)導入時期・場所
平成31年第1回定例会から、本会議傍聴席に導入した。
その際の初期費用は、268,000円であり、内容はテレビモニター、周辺機器等の購入費である。その際、議場内の環境整備工事(モニター置場確保、コンセント設置)を実施した。経常費用は、端末機2台賃借料として55,200円(税抜き)と音声認識システム賃借料(UDトーク)が令和3年度まで303,600円であり、令和5年度からはプレミアムプランに変更したため、804,000円となった。
【枚方市議会】8月1日
1、議会改革(議会機能の強化)の取組について
(1)議会改革(議会機能の強化)に至る経緯について
1)平成12年4月に地方分権一括法が施行されたことに伴い、最初の議会改革懇話会が設置された。
2)平成15年度・20年度には、議会改革懇話会が設置され、一般質問における一問一答制の導入などが審議された。
3)平成23~26年度には、更なる議会改革の取組を進めるため任期4年間の常設の議会改革調査特別委員会を設置した。
平成25年度に、枚方市議会基本条例が制定され、そのことによって通年議会を、導入した。
4)平成27年度~30年度 議会改革調査特別委員会では、インターネットによる本会議の生中継の実施を決める。
5)令和元年度・3年度 個別具体的な課題について議論を深めるため、調査特別委員会よりも機動的な組織体制とするため、再度、議会改革懇話会を設置した。
(2)これまでに検討・実施した事項について
1)議案書や委員協議会資料のホームページへの掲載
2)オンラインによる委員会の実施
3)議会報紙面の改革、「やってみよう 解いてみよう ぎかい探Q」欄を設ける
4)議会活動全般を対象としたプロモーション動画の配信
(3)効果及び課題について
1)早稲田大学マニフェスト研究所による議会改革度調査で、2021年は274位だったが、2022年には60位へと大幅に順位を上げた。
2)課題としては、どれほど改革を進めても市民にしっかりとそれが伝わっていない憾みがみられる。
3)やりっぱなしではなく、しっかりと効果検証を行っていくことが必要である。
(4)今後の予定について
今の任期にある議員によって、今年度から令和8年度まで議会改革懇話会を設置した。今後は、概ね月に1回程度で会議を実施する予定。
2、予算・決算の委員会審査について
(1)委員会の運営方法について
1)本会議で議案上程・提案理由説明を行い、その後、予算・決算特別委員会を設置し、同委員会に議案を付託する。付託された議案を、予算・決算特別委員会にて審議し、その後、同委員会にて採決し、本会議にて委員長報告後、採決をおこなう。
2)委員の構成
各会派より所属議員2名につき1名を委員に推薦する
3)分科会の有無
近年においては設置していない。理由は、昭和60年代に分科会方式をとったところ、一定の成果を得ることができなかったため。たとえば、分科会方式では、議案の全体像が掴みにくい。分科会と全体会の結論に食い違いが生じることがある。
(2)現在の運営方法に至る経緯について
・一般会計4日、特別・企業会計1日の計5日間で開催する特別委員会方式で実施している。
・平成20年度の議会改革懇話会での提言により、総務・教育子育て所管分野で2日、市民福祉・建設環境所管分野で2日の日程に変更した。それに、特別・企業会計の1日がくわわる。
(3)これまでの検討・実施事項について
1)分科会方式等による委員会運営について
平成12年度の議会改革懇話会で検討したものの、一括審査の特別委員会方式を継続することに決まる。
2)日程の見直しについて
平成20年度の議会改革懇話会で検討し、一般会計4日間の審査より全課長が出席するようになる。
(4)効果及び課題
1)効果:所管分野を分けて開催することで、出席者を減らし会場のスペースを確保でき、十分な審査が可能となった。 2)課題:会派の中で特別委員に選出されていない議員、会派に所属していない議員は、審査への参画方法を検討することが必要である。
【堺市議会】8月1日
1、議会改革(議会機能の強化)の取組について
(1)議会改革(議会機能の強化)に至る経緯について
3会派から議員定数削減の議員提出議案が提出されたが、結局、3議案とも否決されたことから、決められる議会を目指して、議会力向上会議が設置された。ただ、議会力向上会議は、議論する機関でありものごとを決定する組織ではない。
議会改革推進組織として、議会力向上会議を設置(平成23年6月設置、平成26年9月法制化)
《堺市議会会議規則》
第124条 (地方自治)法100条第12項に規定する議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場(以下「協議等の場」という。)を別表のとおり設ける。
(2)これまでに検討・実施した事項について
議会力向上会議は、令和5年7月4日現在、計65回開催している。
これまでの主な取組実績は、以下のとおりである。
1)本会議・委員会等における携帯端末機器等の使用
2)本会議での一問一答方式の導入
3)議会報告会の開催
4)議会基本条例の制定
5)委員間討議の実施
6)請願・陳情者の意見陳述の実施
7)議案質疑の充実
8)議案に対する賛否の公表
9)委員会におけるインターネット中継の実施
10)政務活動費運用指針の見直し
11)代表質問の実施
12)議会基本条例の検証・見直し
13)政務活動費関係書類のインターネット公開
14)議会業務継続計画(議会BCP)の策定
15)議会BCP対応マニュアルの策定
16)予算・決算審査特別委員会の審査方法の見直し
17)議会ICT化(ペーパーレス化の推進、クラウドシステム、ビジネスチャットの運用)
18)申請書等への押印の見直し
19)委員会のオンライン出席のための規定整備
2、予算・決算の委員会審査について
(1)予算・決算の委員会審査の運営方法について(本会議からの流れ、委員会の種類、委員の構成、分科会の有無等)
1)総括質疑については、代表質問と同様、部局横断的な内容や全市に波及するような事業について質疑を行い、また、各会計を横断的に審議することができる場であるため、そのことを踏まえた総括的な質疑を行うものとする。
2)2月・8月定例会の大綱質疑について
大綱質疑と委員会審議とのすみ分けを重視し、より大綱的な質疑を中心に行うため、2月・8月定例会については、会派を代表して行う「代表質問」の場と「その他大綱質疑」の場を区別して設け、代表質問ののち、その他大綱質疑を行う。運用については、各常任委員会以外の予算・決算について質疑ができるようにした。 3)議会基本条例第13条に基づき、常任委員会、予算・決算審査特別委員会において委員間討議を実施する。
【姫路市議会】8月2日
1、議会改革(議会機能の強化)の取組について
(1)議会改革(議会機能の強化)に至る経緯について
姫路市は平成18年3月に周辺4町と合併し、合併特例により議員定数が43人から49人となった。しかし、この特例の期限が平成23年の統一地方選までであったことから、新たな議員定数を定めることについて、平成20年7月に議長から議会運営委員会に対し諮問がなされた。
その協議過程において、議会改革全体の中で議論してはどうかとの意見があり、平成21年8月に議会改革検討協議会が設置された。
同協議会は、設置から平成22年1月25日までの間、計5回開催され、議会基本条例(以下「基本条例」という。)、政務調査費、海外姉妹都市交流について議論がなされた。
基本条例については、制定すべきという結論では全委員一致したが、具体的な内容については様々な意見が出され、「条例を制定するには、全議員が議会の役割、責務等についての基本理念を共有することが重要となり、議会全体で取組む必要があると考えられることから、議会基本条例の内容を協議する新たな組織を設置し、詳細な検討を行うべきである」との答申があり、平成22年第2回定例会において、議会基本条例策定特別委員会が設置された。
(2)これまでに検討・実施した事項について
1)議会基本・倫理条例策定特別委員会が新たに設置され、同委員会は、行政視察を含め計15回開催され、基本条例及び議会議員政治倫理条例ともパブリック・コメント手続きを経て、基本条例は平成23年第3回定例会において、倫理条例は平成24年第2回定例会において、議員提出議案として提出され、議決を経て、制定された。
2)議員の請負は、地方自治法より以上の規定は設けないことを、決定する。
3)姫路市議会議員政治倫理条例が、平成24年に制定され、令和3年に改正されたが、その第4条の2項では、政治倫理基準に反する疑いがあると認められる議員があるとこは、議員の選挙権を有する者の総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から議長に対し、審査を請求することができる規定をもうけた。
2、議会棟のセキュリティについて
(1)カードキー
1)運用開始時期:平成28年11月24日
2)カードキー配布先:議員及び事務局職員
3、予算・決算の委員会審査について
(1)予算・決算の委員会審査の運営方法について(本会議からの流れ、委員会の種類、委員の構成、分科会の有無等)
・委員の構成は、全議員。
・分科会方式を採用。各分科会の委員・所管部局等は5つの常任委員会と同一とし、分科会長、分科会副会長には、それぞれの常任委員会の正副委員長をもって充てることとしている。
(参考)
・予算決算特別委員会には、予算及び決算議案を付託する。
・予算については、一般、特別、公営企業のすべての会計の当初予算及び補正予算を付託する。
・予算決算特別委員会へ付託後、各分科会に送付され審査が行われる。
(2)現在の運営方法に至る経緯について
従前は、予算審査は、歳入歳出ともに各常任委員会に分割付託していた。
決算審査は、3つの特別委員会を設置して審議していた(一般会計、特別会計、公営企業会計)。
平成30年第1回定例会から、新たに予算と決算を総合的に審査する全議員参加の常任委員会として「予算決算特別委員会」を設置した。 平成31年第1回定例会以降、全体会のみで行っていた当局の説明を分科会でも実施するようにする。全体会で主な内容を説明した後、分科会では補足(詳細)説明を行った後、審査を行うようにした。