視察所感
1、青梅市議会
(1)青梅市庁舎
1)工期
平成20年3月から平成22年5月まで。
2)特徴
・1階ロビーの間取りを広く取ることで、実質的なワンストップ化を図っている。
・バリアフリー対応を導入
・災害に強い建物→免震装置を6種類107個設置。
・環境に配慮した建物→執務室の定風量給気口と階段室上部のスウィング窓を設置することによって、自然換気が可能になり、中間期(春・秋)の室内の快適性を保ち、夏季は夜間の冷気で庁舎内を冷まし、冷房効果を上げることによって省エネルギーに資する。
また、議会棟屋上に30キロワット用の太陽光パネルを設置し、庁舎の電力消費の一部を担わせている。
(2)青梅市庁舎議会棟
議会棟は、行政棟とは別の建物として構築されている。尚、両棟は連絡通路によって往来が容易に可能である。
1)議場
・名札検知対応がなされており、議員が自席の名札を立てると、自動的に「出席議員数表示器」に議員数となって表示される。
・電子投票機能は、議員席に「賛成」「反対」「棄権」ボタンが設置され、採決する場合に議員が自席で投票できる。ただし、現在のところ、未使用である。
2)大会議室(全員協議会室)
テレビ配信、インターネット配信は、現在共に配管のみで、将来対応となっている。
2、昭島市議会
(1)昭島市庁舎
横田基地の近くに位置するため、航空機騒音に配慮したつくりとなっているため、至近距離を航空機が飛行しても騒音は一切聞こえない。優れた遮音性を確保した市庁舎となっている。
(2)昭島市議フロアー
1)議会フロアーは4階に位置しており、その機能配置の基本的な考え方は、議会活動を円滑に進めるため、一般の動線とは区別し、同一フロアーに各用途室を配置し、ゆとりある空間を設け、市の意思決定機関に相応しい品格を備えた施設としている。
2)議場
(ア)議員席は30席とし、ゆとりあるスペースを確保している。議長席・理事者側席(32席)及び速記者席等を設け、議員席は、上下の配置にゆとりを取っているため、荘重な雰囲気が醸成されている。
(イ)傍聴席(56席)は身体に障碍をお持ちの方、高齢者に配慮し、車椅子に座ったまま、傍聴が可能なスペースを確保している。
(ウ)正副議長室等
正副議長室、応接室を設けており、そこには、長大なテーブルが配置されている。
3)使い勝手の良い点・悪い点
・同一フロアーに議場、委員会室、会派控え室があるため、移動しやすい。
・会派室にシンクがあるため、控え室内でお茶等が飲める。
・バリアフリー化がなされていない。
・議場内の椅子が自然に前後に動いてしまう。
3、立川市議会
(1)立川市庁舎
・財源は103億円であったが、建設費の一部に「たちかわエコ庁舎みんなの市民債」5億円を活用している。
・太陽光発電、コージェネレーション、氷蓄熱空調など省エネルギーに配慮した建物となっている。
・立川市は「まち全体が美術館構想」を策定しており、新市庁舎建設にあたっては、「立川市新庁舎アート計画策定検討委員会」を設置し、「新庁舎アート計画報告書」を取りまとめた。 この報告書を踏まえて「新庁舎アート選定委員会」を設置し、選定委員会による作家指名と公募による作品の中から部門別に選定し、6点が制作され設置されている。
(2)立川市議会
1)一般質問
・質問の形態は、一問一答方式及び一括質問方式のうちどちらかを選択する制度となっている。その割合を質問したところ、3分の2は一括質問方式を、残りの3分の1は一問一答方式を選択するとのことであった。
その際、一問一答方式では、初回のみ演壇で行い、2回目以降は質問席にて行い、一括質問方式ではすべて演壇にて行うとのことである。
・議案に対する質疑では、通告制をとってはおらず、発言時間、回数ともに制限はないそうである。
・本会議場は、担当者に質問したところ、多目的使用は認めていないとのことであった。
・議場は、ふんだんに木製の調度・什器を使用しているのが特徴となっている。