町田市議会議会運営委員会の平成23年度行政視察が下記のとおりに行われましたので、同委員会委員としてご報告します。
【視察先】静岡市、津市、伊勢市、鳥羽市
【期間】2011年5月17日〜19日
【調査事項】
1、議会の運営に関する事項について
2、議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項について
3、議長の諮問に関する事項について
4、議会報に関する事項について
視察所感
【静岡市議会】
1.議会の運営について
(1)本会議の運営について
1)委員会への付託を省略される議決案件の種類
・人事案件
・議会運営委員会で協議済みの議員提出議案(意見書、決議、議会関係条例の改正等)
・地方自治法179条の規定による専決処分の承認案件
2)総括(一般)質問について
1、通告制採用の有無:有
2、質問回数の制限:制限している(3回)
3、質問時間の制限:総時間600分を会派所属議員数で割った時間を会派持ち時間として計算する
4、質問者数の制限:制限していない
5、質問通告書の記載内容:内容の要旨も通告
6、質問内容の制限:していない
7、一問一答制:導入していない
8、請願の内容に関わる一般質問の取り扱い:制限していない
3)代表質問(総括質問)について
1、代表質問制の有無:有
2、実施する定例会:第1回定例会で実施
3、一般質問との関連:静岡市議会では、議案質疑と一般質問をあわせて行い、これを総括質問と呼んでいる
4、発言時間の制限:制限している
5、発言回数の制限:3回に制限している
6、通告制限:招集告示日の翌日の午前9時から議案説明会を開催した日を含めて3日目の正午まで
7、質問順位の決め方:会派構成議員数順
4)質疑について
1、通告制採用の有無:有
2、発言回数の制限:3回に制限している
3、発言時間の制限:15分に制限している
4、発言者数の制限:制限していない
5、発言順位の決め方:通告順
6、発言内容の制限:制限していない
7、通告文書表の作成:作成している
8、代表質疑、総括質疑の導入予定、検討状況:予定なし
(2)委員会について
1)委員会への参考人出席について
1、実績の有無:無
2、参考人の費用弁償の有無:有(額 日当1日につき2,600円)
2)公聴会の実施について
1、実績の有無:無
3)専門的知見の活用について
1、規定の有無:無
2、実績の有無:無
4)常任委員会への所属制限の撤廃について
1、条例定数の変更:無
2、撤廃に伴う常任委員会の新設:無
5)常任委員会のインターネット中継の予定について
1、予定の有無:無
2.開かれた議会について
(1)請願者の委員会の出席について
静岡市議会の運営等による規約55条により、請願者又は陳情者から事前に趣旨説明の申し出があったときは、委員長は会議に諮って決定する、とのことなので、この制度を利用して、半分以上の請願者が趣旨説明の申し出を行っている。
【津市議会】
1.議会の運営について
(1)本会議の運営について
1)委員会への付託を省略される議決案件の種類
・人事案件、意見書・決議は原則付託省略。その他は、その都度議会運営委員会において協議する。
2)定例会における議案質疑・一般質問について
1、代表質問の有無:有
2、議案質疑・一般質問の方法について
議案質疑と一般質問を併せて行っており、何れも通告制を採用し、提出期限は議会運営委員会で決定(通常、質問日初日の2日前の正午。3月定例会は3日前の正午)。
質疑・質問項目と要旨(要旨は原則として単文)を発言通告用紙に記入し議長に提出。FAXは認めていない。提出された通告を議会事務局にて発言通告一覧表を作成し、質問日初日の前日までに議員控室へ配布する。
3、質問に要する日数:3〜4日間。1日平均5〜6人。
4、質問者数の制限:代表質問者は各会派1名。個人質問は制限していない。
5、発言時間の制限:会派発言持ち時間における議員1人当たりの発言持ち時間の上限は90分とする。
6、発言の回数:3回までとする。
7、発言の順序:通告締め切り後の議会運営委員会において、代表質問と個人質問(いずれも質疑を含む)別に抽選している。
8、発言の方法:平成22年第1回定例会から、議員質問用演壇(質問者席)が設置されたことに伴い、本格的に対面方式が導入された。
一問一答方式又は一括質問一括答弁方式のいずれかを発言議員が選択。
9、質問内容の制限:制限していない。
10、請願の内容にかかわる一般質問の取り扱い:取り決めしていない。
(2)委員会について
1)委員会への参考人出席について
1、実績の有無:有(平成22年総合交通体系調査研究特別委員会)
※調査事件:交通基本法に対応した自治体の公共交通活性化の方向、加藤博和(名古屋大学大学院環境学研究科准教授)
2、出席時の公開の有無:公開
3、参考人の費用弁償の有無:有※報奨金60,000円、交通費実費4,220円
2)公聴会の実施について
1、実績の有無:無
3)専門的知見の活用について
1、規定の有無:無
2、実績の有無:無
3、費用弁償の有無:無
4)常任委員会への所属制限の撤廃について
1、条例定数の変更:無
2、撤廃に伴う常任委員会の新設:無
5)常任委員会のインターネット中継について
1、予定の有無:無
(3)その他
1)議会報について
1、編集に関する組織及び運営方法:【組織】各会派より1名及び副議長をもって組織する。また、委員長に副議長、副委員長に当選回数の多い委員をあてる。
【運営】年4回の「つ市議会だより」発行に関し、協議・調整を行う。
2、表決結果の掲載(会派・個人ごとの賛否、全可・多可の別等):多数可決された議案に対し反対議員の個人名を掲載。
2)議会事務局単独の自主研究、調査事務について
1、具体例:特になし
2、研究、調査の方法:特になし
3、議員への成果物の提供:特になし
3)聴覚・視覚ほか、障がい者への対応について
1、議場・議事堂等のハード面:傍聴者席に車椅子用のエレベータを設置。
2、本会議・委員会運営上の面(議員、傍聴者含む):本会議(傍聴者)聴覚に障がいを持つ人が希望の音量で聞けるよう「ワイヤレス補聴システム」の受信機を貸出している。
3、議会中継:特になし
4、ホームページ:特になし
5、広報紙:視覚障がい2級以上で18歳以上の人がきぼうされた場合、テープ収録し、郵送で届ける。(担当:障がい福祉課)
【伊勢市議会】
1.議会の運営について
(1)本会議の運営について
1)委員会への付託を省略される議決案件の種類
・人事案件
・地方自治法179条3項の承認(専決承認)
など
2)一般質問について
1、通告制採用の有無:有
2、質問回数の制限:制限していない
3、質問時間の制限:答弁時間の含めて60分以内
4、質問者数の制限:制限していない
5、質問通告書の記載内容:内容の要旨も通告
6、質問内容の制限:制限していない
7、一問一答制:導入していない
8、請願の内容に関わる一般質問の取り扱い:取り決めはしていない
3)代表質問について
1、代表質問制の有無:無
4)質疑について
1、通告制採用の有無:有
2、発言回数の制限:制限していない
3、発言時間の制限:答弁時間も含めて60分以内
4、発言者数の制限:制限していない
5、発言順位の決め方:議会運営委員会で決定する。
6、発言内容の制限:制限していない
7、通告文書表の作成:作成している
8、代表質疑、総括質疑の導入予定、検討状況:予定なし
(2)委員会について
1)委員会への参考人出席について:無
2)公聴会の実施について:無
3)専門的知見の活用について
1、規定の有無:無
4)常任委員会への所属制限の撤廃について
1、条例定数の変更:無
2、撤廃に伴う常任委員会の新設:無
5)常任委員会のインターネット中継の予定について
1、予定の有無:無
(3)その他
1)議会報について
1、編集に関する組織及び運営方法:いせ市議会だより発行委員会を設置(任意、委員:副議長及び3名以上の会派から1名ずつ)
2、表決結果の掲載(会派・個人ごとの賛否、全可・多可の別等):現在は、全可・多可のみ掲載
2)議会事務局単独の自主研究、調査事務について
具体例:特になし
3)聴覚・視覚ほか、障がい者への対応について
1、議場・議事堂等のハード面:議場の傍聴席への階段に車椅子用の昇降機を設置
2、本会議・委員会運営上の面(議員、傍聴者含む):事前に傍聴希望があれば、手話通訳者・要約筆記者の派遣を依頼(実施例なし)
3、議会中継:特になし
4、ホームページ:特になし
5、広報紙:特になし
1.議会改革について
・議会改革調査特別委員会を設置(平成22年7月14日)
・検討課題としては、下記の項目が挙げられた
1)議会のあり方
2)議会基本条例
3)具体的検討項目52項目(当初51項目、追加1項目)
を設定
現在、具体的検討項目から検討を進めている。
(1)議会運営に関する取り組みについて
・議会運営に関する具体的検討項目として、18項目を設定
・検討結果及び検討状況は、別紙にある「議会改革調査特別委員会の決定・確認事項」のとおり
(2)議会の権能強化について
・議会の権能強化に関する具体的検討項目として、7項目を設定
(3)議会の情報発信について
・情報の公開と共有に関する具体的検討項目として、11項目を設定
【鳥羽市議会】
1.議会の運営について
(1)議員からの提案による検討事項:協議ポイント
1、一般質問の質問方式に「一問一答」を取り入れる:議会の「ケーブルテレビ放映」とタイアップするかたちで「一問一答」方式を取り入れるべきだと思う。
2、副議長と監査委員の一般質問、質疑を可とする:議員定数が16名と小数になったこともあり、これまでの慣習は排除すべきだと思う。
3、「予算」の審査も全員の「特別委員会」を設置する:要検討
4、市長の施政方針に対して一般質問ができるようにする:要検討
5、予算委員会を設置する:議員角度からもいろいろ審議したい
6、特別委員会の構成人数について:全議員を構成員としていいのではないか。ただし、委員全員が均等に発言できるよう、時間配分や、進行の仕方に配慮する必要がある。
7、重要懸案事項について、議員同志が議論しあう場を常に設ける:議長が問題を提起?
8、議会のインターネット中継を実施する:録画のみ
9、正副議長の立候補制と所信表明し、議会改革を推進していく:実施済み
10、正副議長、常任委員の任期変更:複数年(2年程度)もしくは改選月の調整
11、本会議における議長指名者の呼称について:<苗字>市長、<苗字>総務課長、△番○○議員
12、政務調査費の領収書について:旅費以外の使用時の領収書添付を義務付ける
13、会派制度のあり方について:会派制度は取り止め
2.委員会のインターネット中継について
本会議、委員会ともインターネット中継はされておらず、議会放送はCATVの行政チャンネルによる本会議の録画放送のみであった。
以前から、幅広い層(CATV未加入者や若者等)に本会議や委員会等の審議をみてもらいたいとの要望が議員からあった。
インターネット放送システム構築には、初期導入費3百万円、維持管理費年間百万円程度かかるため、財政上困難視された。
しかし、一部の議会でも実証実験的に取り組んでいる無料のインターネットストリーミング(USTREAM)が議会インターネット放送として活用できるということで、事務局が提案をした。
議会活性化検討委員会において、議会改革の取り組み項目にインターネット放送導入があり、委員全員がこの事務局提案に異議を唱えることなく、全員協議会でもこの提案は了承された。
昨年(2010年)9月からストリーミングによる、議会中継が続けられているが、3月末で合計10,442人が2,435時間視聴した。
それに伴い、ツイッターとの連携により、同市議会のホームページのアクセス件数が大幅に伸びた。