千葉県千葉市、視察項目「Government2.0」に向けた千葉市の取り組み
1、千葉市が考える行政をとりまく環境の変化1
1)人口減少、少子・高齢化の進展⇒税収減少、社会保障費増
2)市民ニーズの高度化・多様化・複雑化⇒行政対応が困難な課題の増加
3)地方分権の推進⇒自治体の自己決定権の範囲拡大
これらの結果、「あれも、これも」から「あれか、これか」(選択と集中)
行政による「公平・画一的な対応」⇒市民や企業の「ニーズに即した柔軟な対応」へと転換を余儀なくされるようになった
★市民による内発的・主体的な取り組みを行政が後押し
1、千葉市が考える行政をとりまく環境の変化2
従来は、国から都道府県、市町村、地域コミュニティへと降りてきたまちづくりへの指針が、市民という個人から地域コミュニティ、市町村、都道府県、国へと補完性の原理が働くようになってきた
1、千葉市が考える行政をとりまく環境の変化3
行政が何でもやる時代の終焉⇒その理由(下記)
・高度経済成長が終わった今、予算が大幅に増えることはない
・行政依存体質からの脱却が必要
・自助・共助・公助のバランスをもう一度考える必要がある
これからは市民によって支えられるまちへ
・市民ニーズにきめ細かく応えるには、市民の参画が必要
・そのためには、行政と同じ情報を市民が共有すべき
・高齢者の生きがい対策のためにもボランティアへの参加促進が望まれる
2、Gov.2.0とは1
2009年 オバマ大統領の就任時、「透明性」、「国民参加」、「協業」というオープンガバメントの3原則を示す
同 年 ティム・オライリーが、ガバメント2.0を提唱(ITを活用したプラットフォームとしての政府や、Do It Ourselvesな社会をイメージ)
2010年 英国キャメロン首相が、「大きな政府」ではなく「大きな社会(Big Society)」を提唱⇒中央政府から地方自治体への権限委譲、地域住民の行政への参画、民間非営利部門の支援、政府データの公開等)
2、Gov.2.0とは2
千葉市は、こう考えます!
・行政と市民との役割を変える
・行政の仕組みをバージョンアップさせる
↓
・ICTの活用により行政が保有していた情報を共有
・政策決定や公共サービスの提供に際し、市民が参画
↓市民と行政のフラットな関係
市民が納得する行政サービスを提供し、行政の効率化を達成
3、ちばレポ1
〈地域課題解決ソリューション実証実験−ちばレポ〉
−地域課題解決のための新たな仕組み作りへの挑戦−
・地域における様々な課題を、市民と行政の協働により、スピーディかつ低コストに実現する仕組みを、ICTを使い実現する。
・そのため、北米311の日本語版(住民サービステンプレート)について千葉市版として実証実験を行い、地域課題解決に向けた諸課題の洗出しと、導入の検討を行った。
・千葉市版を検討するにあたっては、地域課題解決の一つの手法として、市民の課題解決への協働・参画を予定する。
・市民の協働と参画(想定する市民の役割)
1)課題発見者 2)課題解決者(受け皿) 3)課題整理者
3、ちばレポ2
これまでの地域課題 クローズアップされた情報
(通報した住民と受け取った行政担当だけの情報のやり取りに終わる)
3、ちばレポ3
ちばレポの地域課題(1)オープンになる課題
市民が地域課題をインターネット上で発信することで、課題の可視化・共有化される⇒参画・協働意識の誘発⇒組織化(個人からグループへ)
3、ちばレポ4
ちばレポの地域課題(2)街を意識する動機
ちばレポによって、我が町を意識化するようになり、それが地域課題の解決に資するようになる
4、所感
ちばレポによって、市民が行政に依存するのではなく、自ら我が街の課題や問題を顕在化させて、それを行政と協働で解決に導こうとする。素晴らしい取り組みだと考えた次第である。