町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

2016年 文教社会常任委員会 行政視察報告書議員活動

2016.10.21(金)

【視察所感】
宮城県多賀城市
・防災対策について
1、東日本大震災における被害状況
多賀城市は、東北有数の人口密度を誇る市である。
 そこに、東日本大震災が襲い、甚大な被害をもたらした。
最大震度5強で、それにともなう津波に見舞われ、浸水面積は、市域の3分の1に当たる6.62平方キロメートルに達し、その約90%が市街地であった。
 最大浸水深は4.6m、市内死者数は188名に上った。
 被害を受けた家の数は、11,000戸以上、仮設避難者は約1,400世帯。流入物は推計、約8,500台の自動車が市街地に流入した。がれき推計量は、35.3万トンに上る。

2、都市型津波被害?
 「都市型津波被害」とは、津波が臨海部の港湾や工業地帯、高密度な市街地を様々な方向から襲い、甚大な被害を与えた津波被害を表します。その特徴は、複雑な挙動と甚大な波力にあります。
 多賀城市では、市街地に津波が上陸したため、海の方向以外の方向からも襲来し、人と街を襲いました。

3、都市型津波被害?
 市街地には、工場やマンション、オフィスビルなどの頑丈な建物があるため、津波はそれらに遮られ、流れる範囲、行き場を狭められることになります。
 多賀城市の各所でも、次々に津波が襲来する中、結果的に吐き出し口が集約されるようにして、高さを増し、流速を速める「縮流」という現象が起こり、漂流物が市内へ流されてきました。

 また、小さな河川が合流して大河になるように、細い道を抜けた津波が交差点などで一つになる「合流」も起きたようです。

4、都市型津波被害?
 一番地盤が低く、終末処理場のある多賀城市へと下水が流れ、町中の至る所で、汚水が噴射する被害がみられた。

5、減災都市を目指して
 減災都市宣言を、多賀城市は平成25年11月28日におこなった。
 そこでは、「災害の被害、つめ跡・記録」、「地震・津波・大雨などの災害リスク」、「東日本大震災の被災経験・教訓」を生かして、被害の最小限化を図る『減災』を提案している。

6、多賀城市減災都市戦略の概要
 災害に強い都市形成
戦略1 津波対策・多重防御戦略
戦略2 地震に強いまちづくり戦略
戦略3 雨水浸水被害軽減戦略
戦略4 災害体制確立戦略
 自助・共助の減災力向上
戦略5 自助力強化戦略
戦略6 地域防災力・減災力向上戦略
 被災経験の伝承
戦略7 震災体験伝承戦略
 減災技術の集積・創出
戦略8 減災リサーチパーク構想戦略
 上記の項目の策定に当たっては、国際連合との交渉の結果実現されたものもあるという、言及があった。

秋田県
・義務教育の整備、充実とその質的向上について
1、少人数学習推進事業の概要
 小学校で33人、中学校で34人以上の学級をもつ学年に少人数学習のための人的配置をしている。

2、少人数学習推進事業の推移
 平成13年から、少人数学習推進事業をスタート。
そこで、小学校1・2年生では、学年30人程度学級をスタートさせた。

3、教育専門監
 教科指導に卓越した力を有する教諭の資質能力を複数の学校に活用し、学校の教育力を高める。

4、秋田県 学力向上支援Web
 このWebによって、必要な情報をスピーディに各学校に紹介できるようになった。

5、家庭学習の充実に向けて〜各学校、各地区の取り組み
家庭学習の充実のために3つの種
それによって、授業・自学の時間・家庭学習をつなげて学力アップを図る。

6、平成28年 学力向上推進事業
 趣旨としては、基礎学力の向上を図るため、学習状況調査を実施し、課題の分析から指導方法の改善につながるサイクルを構築する。
 くわえて、理数教科や国語についての学校訪問指導を行い、“問いを発する子ども”の育成に向けた各学校の取り組みを支援している。

7、教科に関する調査の結果
 秋田県の各教科の平均正答率は、全国平均をほぼ4ポイント以上上回っており、良好な状況にある。
 無解答率は、小・中学校ともに、国語、算数・数学のすべての問題で全国平均を下回っている。
 授業では、講義型のものではなく、探求型授業を推奨している。

秋田県秋田市
・義務教育の整備、充実とその質的向上について
1、秋田市学校教育の基本方針
 「自立と共生」の力をはぐくむ学校教育の充実をうたっている。

2、確かな学力の育成
 確かな学びの基盤として〜生徒指導の3機能を生かした授業〜
自己決定の場を設定する=徳
自己存在感をもたせる=知
共感的な人間関係を育成する=体

3、平成28年度 秋田市小中学校教育職員研修計画
 そこでは、基本研修が4。
 職務別研修31。
 専門研修16。
 課題別研修13。
 特別研修5。
 全市一斉授業研究会2。
 以上が、組まれている。

4、質問紙調査から“国語の学習について”
 「読書は好きか」という質問に対して、肯定的な回答をした児童の割合は約80%で、全国平均と比べて約7ポイント上回っています。

5、児童生徒質問用紙調査の結果から【平成27年度】
 「家で、自分で計画を立てて勉強をする」と回答した子どもの割合は小学生で約80%、中学生で約65%となっており、小学生・中学生共に全国平均を上回っています。

 この調査でもあきらかなように、秋田市では家庭学習が根付いており、小学生の通塾率は13%、中学生の通塾率は32%と低いものとなっている。

 その際、全県的に家庭学習ノートを家庭に渡して、毎日児童・生徒に提出させていることも、自学自習を促している要因となっている。

・市民サービスについて
1、市民サービスセンター
 市民サービスセンターは、市が推進している市民協働・都市内地域分権の拠点として7地域に整備するもので、行政機能と公の施設としての機能の2つの機能の複合施設となっています。

2、地域づくり組織
 市民サービスセンターの整備は、「地域づくり組織」の設立とセットとなります。地域づくり組織は、センターの所管区域における住民自治組織で、地域住民の参加による市民協働の実践をめざします。
 地域づくり組織は、センターの指定管理者として施設の管理運営を行うほか、センターに事務局を置いて様々な地域づくり活動を促進することも期待されます。

・市民活動振興について
1、市民協働の基本的な考え方
 秋田市では、市民自らが主体となって「自分たちの地域は自分たちでつくる」「地域の課題は地域で解決する」住民自治の理念のもと、都市内地域分権の一層の定着を図るとともに、市民の参加と協働によるまちづくりの実践に努めます。特に、市政のあらゆる分野において市民力を発掘し、その先進性や実効性をいかしてともに取り組むため、行政のコーディネート能力の向上を図り、「市と市民が共通の目的を達成するために協力して働く」市民協働のステップアップに努めます。

2、市民協働の環境づくり
 市民情報の開示と提供、行政参加の促進、職員・市民の意識向上
1)市民公聴条例の制定
2)市民活動センターの設置
3)都市内地域分権の推進(市民サービスセンター、地域づくり組織)
4)コミュニティ活動支援の充実強化(地域支援担当、地域づくり交付金制度)

3、住民自治の充実をめざして(市民協働・都市内地域分権の推進)
 小学校区単位を基礎として「地区づくり組織」を、7つの(仮称)市民サービスセンター単位に「地域づくり組織」を結成し、これらの組織と市が連携して、それぞれの役割を発揮し合うことにより、市域の個性を生かした魅力ある地域づくりを展開する。

4、中央市民サービスセンター
 中央公民館を廃止し、その機能と支所機能等(本庁窓口対応を除外)を複合化したサービスセンターを改築した市庁舎内に整備。
 その際、市庁舎は公の施設ではないので、そことは区分して設置した。

神奈川県厚木市
・子ども行政について
1、厚木市幼稚園送迎ステーション
 本事業は、平成26〜28年度神奈川県市町村自治基盤強化総合補助金対象の「市町村提案型全県モデル事業」として平成26年5月26日から始まった、全国初の事業です。

2、厚木市の現況
 私学幼稚園14園、給付型幼稚園1園、認定こども園3園ある。

3、本事業の利用状況
 利用する園は登録した後、本事業を利用できる。今年度の登録園は、9園あり、登録児は26人、うち常時利用者は約14人です。
 登録していない園は、自前のバスにて対応しています。

4、事業内容
 幼稚園の預かり保育を利用する園児を対象に、送迎ステーション(アミューあつぎ8階託児室「わたぐも」)と各幼稚園間をバスで送迎するサービス「厚木市幼稚園送迎ステーション」事業である。

 幼稚園児を対象にした本事業は全国に類がなく、新たな待機児童解消策として、先進性が非常に高いと考えられます。
朝・夕の利用時間は、午前7時15分から8時15分、午後6時30分から7時30分。駅前施設のアミューあつぎに、保護者が園児を連れてきて、そこで園児を預かり、各幼稚園に送迎するというもの。
 送迎時に、運転手1人、有資格者1人がつく。

5、費用
 1か月保育料55万円(保育)、40万円(バス)にかかり、一人1回当たり100円の保護者負担となる。

6、事業効果
 働く子育て家庭の支援及び保育所(園)に偏りがちな児童を幼稚園へ誘導することにより、保育所の待機児童解消を推進する。

 これまで以上に幼稚園の選択肢が広がり、特色ある教育を受けられる機会も増える。

7、利用日
 幼稚園の開園日(土曜日、日曜日、祝日、年末年始を除く。)
  平成26年度:合計208日(事業開始日以降)
  平成27年度:合計243日

8、運営方式
 業務委託(指名競争入札)

9、委託実績
委託料実績
 平成26年度 計13,909,838円(当初予算8,500,000円、流用対応)
         10か月間(208日)
 平成27年度 計14,518,368円
         12か月間(243日)

10、利用実績
 市内18園中、7〜8幼稚園が利用
 のべ利用者数2,210人(平成27年度実績)

11、PR方法
 チラシ配布(幼稚園、公共施設)、市HP、広報あつぎ、幼稚園及び保育園等の募集時期にあわせたチラシ配布、保護者説明会に出向いてPR等。