町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

「民族芸能」vol.83らん丈の、我ら落語家群像

2002.02.01(金)

 以前に本誌小稿にてお知らせしたように、この原稿が活字になっている頃は、選挙戦の真っ最中です。初めての選挙を戦って、何よりもまず思うのは、議員というのは、化け物=モンスターじゃあるまいかということです。
 たとえば、告示前の段階で平日は毎朝六時から二時間ほど駅頭に立ちビラ配り、昼は一軒一軒支援者廻り、夜はまた二時間の駅立ち、この生活を候補者は四ヶ月続けるのです。もちろん、だからといって当選が保証されるわけでは決してありません。この運動はごく標準的な活動だからです。それに加えて、ポスター貼りやチラシ配り、資料作りや演説内容の勘案、後援会会員集めを同時並行して進めるのですから、その体力、資金力の維持だけでも、大変です。なおかつ、いざ選挙で一票を投じられるに値する魅力が候補者に備わっていなければ、折角の運動は水泡に帰してしまいます。これをもってしても費用対効果を考えれば、これほど割の合わないイベントも珍しいでしょう。何しろ、仮に当選しても、町田市の場合、その議員報酬は市公用車の運転手より低い額です。

 まして、今回の町田市議会議員選挙の場合、定数が前回選挙時に較べて一割削減されているため、新人が当選する確率は非常に小さいものとなっています。

 この一年中で最も寒い時分に行われる、しかも冷え込みの厳しい町田での選挙活動をして、人との縁の不思議さに改めて思いを馳せる日々です。

 つまり、選挙の手伝いをあてにしていた友は一向に事務所に来てくれないのにも拘わらず、それまで一度たりとも会ったことのない見ず知らずの、一面識もない他人様が寝食を忘れて手伝って下さるのですから、全く頭が下がります。ただただ、感謝の思いを捧げることしかできません。
 これは一つの奇跡を見る思いがします。

 いずれにせよ、選挙は選挙戦が始まったときには、すでに勝敗が明らかになっているのが通例です。けれど、前阪神監督だった野村克也さんが云うように、「負けに不思議の負けなし、勝ちに不思議の勝ちあり」ということが選挙の場合、一ないし二議席はあるものです。現在のところこの言葉にかけるしかない状況ではありますが、すでに、それまで全く知らなかった同級生のお父様が、お一人で一万枚ものチラシを午前一時二時に起きて配って下さったり、一月二七日まで会ったこともなかった方が、自分の仕事を擲ってまで選挙に協力してくださっている、あるいは、これもやはり同級生のご両親が、お二人で私の後援会会員獲得に奔走してくださり、五十人以上もの会員を紹介してくださるという、奇跡の数々を眼前に見せつけられると、ひょっとしてひょっとすると私の選挙それ自体にも奇跡が起こるかもしれないと思う今日です。