デジタルデヴァイドという言葉を初めて聞いたのは、二〇〇〇年のことでした。
言うまでもなく、デジタル=PC技術(の有無)で、日常生活における受益が、デヴァイド=分離されてしまうことを言います。
たとえば、インターネットを利用することで我々は様々な便益を享受していますが、これを使えないと、一切その受益を得ることが出来ない、そのことを指して、デジタルデヴァイドというのです。
いまや落語家の多くが、自分のHPを持つ時代ですから、お目当ての落語家はそこを見れば、いつどの落語会に出演するのかが、一目瞭然です。
あれから五年経ち、いまはブログが大流行しています。ブログとは、「ウェブログ」の略称。「ウエブ」がインターネットのホームページ、「ログ」が、英語で記録や日記を指すことから、インターネット上で公開される日記のようなホームページ、とでもいうのでしょうか。ブログを利用することによって、HPより遥かに簡便に、自分の考えを世界に発信できるようになったのです。
昨年が日本におけるブログ元年といわれており、すでに百万を超えるサイトがあるそうです。
事実、ネット市場調査会社のネットレイティングスの推計では、今年の二月に自宅で一回以上、楽天やニフティなど大手十四業者のブログサイトにアクセスしたのは約1495万人を数え、昨年の三倍以上に急増し、家庭でインターネットを利用する人のうち、四割にも達しているそうです。
まして今年は、落語家を主人公にしたテレビドラマが放送されたこともあり、その主な視聴者が若者だったことで、落語会に若者が多数詰め掛けるようになったのです。
ですから、落語に初めて接した彼女と彼は、さかんにインターネット上で、その情報を互いに交換し合っており、ブログで落語をトラックバックしようものならば、大変はアクセス数となります。
かくいうぼくも、ブログを始め、ブロガーの仲間入りを果たしてしまいました。はてなダイアリーでの、「いやはやなんとも日記」が、それです。
ブロガーの中には、一日に何度も更新する方も少なからず見受けますが、ぼくはとてもそこまでは出来ません。せいぜい毎日一回更新するのが、精一杯です。
ただ、そうなると困るのが、アディクション=耽溺です。過ぎたるは及ばざるが如し、といいますが、どうしても深みに嵌ってしまう恐れがあるのです。
「実録鬼嫁日記」は余りにも有名なブログですが、ああなると、完全な商売ですね。本業のお仕事は、どうされていらっしゃるのか、と余計な心配までしてしまいます。