「民族芸能」vol.88
今月号の『本』(講談社)という雑誌に、笑福亭鶴瓶師匠が寿司屋で隣り合わせた医師に、いきなり人情噺を三十分以上も語り、その医師を泣かせた話が載っていました。
どんな理由から、寿司屋のおそらくカウンターで鶴瓶師匠がその医師に古典落語を語ったのかは、その文面では読み取れなかったので、それを知りたくその医師が書いた『がんで死ぬのはもったいない』(講談社現代新書)を読んだところ、著者平岩正樹医師によって、がん治療に関する様々な蒙を開かれたため、ここにそれを記します。ただ、鶴瓶師が平岩医師一人に寿司屋で落語を演じた理由は、結局どこにも書いてありませんでしたが。