町田市議会議員 会派「自由民主党」/(一社)落語協会 真打 三遊亭らん丈【公式ウェブサイト】

三遊亭 らん丈

まちだ市民大学HATS『まちだ市民国際学−平和学講座=町田市の非核平和への取り組み』を受講して町田の、らん丈

2002.11.14(木)

 さる11日、今年5月にあった東京都武蔵村山市長選挙で、石原慎太郎都知事などからの推薦を受けたと選挙公報にウソの記載をしたとして、その選挙で破れた前市長の志々田浩太郎容疑者が、公職選挙法違反(虚偽事項の公表)容疑で、警視庁に逮捕されました。その後13日、東大和署は志々田容疑者を同容疑で地検八王子支部に送検したのです。
 いくら同容疑者が、新聞報道によると途中から聴取の要請に応じなくなった、とはいえ、逮捕されるとは、警視庁も思い切ったことをするなぁというのが、ぼくの偽らざる感想です。 

 当然、まだ同容疑者の有罪が確定したわけではありませんが、しかし、公人が虚偽の公表を行えば、その責めは負わなければなりません。
 それほど、公人の発言には重みと影響力が伴うのです。

 今年4選を、圧倒的な票数を得て果たした寺田和雄町田市長に、ぼくはなんら個人的な恨みを持つものではありません。むしろ、市長と父とは以前同じ職場に勤めていた関係から、親近感すら持っていたのです。
 ただ、この「困惑日記2002.8.4『寺田市長虚偽の報告』」にも記しましたが、寺田氏が市長という公人であれば、その発言が、先述のように、虚偽ないしは空手形の空疎なものであれば、それは糾弾されなければなりません。
 むしろ市民たるもの、市長の発言に誤りがあれば、それに異を唱えるのは、ごく当然のことといえるでしょう。

 ぼくは、今年(平成14年)度において、前期は、まちだ市民大学HATSでの「まちだ市民国際学−異文化理解講座=イスラムと私たち」を受講し、それを修了し、現在後期講座で、同じ「まちだ市民国際学−平和学講座=今、私たちが考えること・できること」を受講しています。

 14日はその9回目の講座があり、「町田市の非核平和への取り組み」「語り継ぐ被爆体験」及び「活動を支える市民」をそれぞれ代表する3人のスピーカーによって、講義は進められたのです。そのお三方のお名前は、もちろんぼくは知りえているのですが、プライバシーに配慮し、公表は差し控えさせていただきます。

 そこでぼくが問題視したいのが、「町田市の非核平和への取り組み」なのです。
 ご存知の方も多々いらっしゃるでしょうが、町田市は昭和58年2月1日をもって非核平和都市宣言を行いました。
 そのおかげで、町田市は核戦争に巻き込まれなかった、とはだれ一人として思う者はいないでしょうが、その宣言自体は、他の多くの地方公共団体と軌を同じくしてなされたものであって、別段とりたてて言及するほどのことではありません。問題なのは、宣言それ自体ではなく、非核平和への町田市、ひいては市長の取り組み方にあるのです。

 つまり、「非核平和都市宣言」は、まぁ、ほかの市町村もやっていることだし、さほど予算がなくてもできるし、やっておいても別に好いのではないか、というほどの決意でなされたものなのでしょう。

 これは、ぼくの勝手な想像ではなく、当日の市役所職員の発言によって、参加者の多くが持った感想なのではないかと推察されます。
 詳細は町田市が発行する資料に当たっていただきたいのですが、そのなかで寺田市長は「町田市も(被爆国の)一員として、戦争の悲惨さ、原爆の悲劇、平和の尊さを皆さんと一緒に考え、世界に訴えていきたいと思います。」という文章を寄稿しているのです。

 そこでぼくは質疑応答の際に、寺田市長がその場にいないので、担当の職員に、「寺田市長はパンフレットでこのように”世界に訴える”と記しているのですから、寺田氏が平成2年に市長に就任して以来、12年経過しているのですが、その間、いったいどれほど多くの国々に、どのようなかたちで、”町田市が非核平和都市宣言であるのかを訴えた”のかを、お教えいただきたい」と、質問したところ、まことに驚いたことに、その職員が担当部署に着いた3年前から、ただの一度も、市長が”訴えた”ことはないという返答をするのです。
 「でも寺田市長は、このパンフレットに堂々と”世界に訴えていきたい”と書いてありますが」とたずねると、
 「どんなことをすればいいのでしょうか」という、まるで返答の体をなさない返答を繰り返すばかり。
 「常識的には、核保有国の元首に、その国の言葉に翻訳したこの”非核平和都市宣言”を送付すべきではないでしょうか」という旨の発言をぼくがしても、先ほどの返答を職員は繰り返すばかりなのです。

 つまり、その職員が関知しているだけでも、寺田市長は3年間にわたって、自らの発言を反故にし続け、なんら具体的な行動をとらず、あまりに無能なさまを見せ続けるばかりなのです。
 まったくこれほどまでに、欺瞞に満ち、無能な寺田氏が、町田市の市長であることに、ぼくは慨嘆を禁じえないのです。